貿易・投資相談Q&A
商品ごとの輸入手続き : 化学工業
化粧品の輸入手続き
- Q. 化粧品の輸入手続きについて教えてください
- A.
関税分類は税関相談官室に確認されることをお勧めします。
(例)美容・メーキャップ用化粧品(HS3304)、ヘアケア用品(3305)、日焼け止め(3307)など
化粧品は薬事法の規制を受けます。輸入ビジネスを始めるにあたってちょっと扱ってみようかと考えるには不向きな商材です。
また、個人輸入(販売を目的としないもの)についても、厚生労働省の下記URLにある注意喚起の趣旨を十分に勘案してください。
※厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
(医薬品の個人輸入に関するQ&A)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/index.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/faq.html
1.薬事法
業として輸入し販売する場合は①「製造販売業許可」が必要です。また、輸入後、包装・表示・保管などを行う場合は②「製造業許可」も必要となります。さらに輸入しようとする化粧品が厚生労働省の定める「化粧品基準」等に適合していることが必須です。
上記許可を取得後は輸入前に製品毎に③「化粧品外国製造販売業等届出書」(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構、以下、PMDAと略称)、④「化粧品製造販売届出書」(都道府県薬務主管課)、⑤「製造販売用化粧品輸入届出書」(関東信越または近畿厚生局)の提出が必要です。
(1) 製造業許可、製造販売業許可、製造販売承認(品目ごとの承認)
まず、②「製造業許可申請」は、営業所所在地の都道府県薬務主管課(都道府県知事宛、以下同じ)に行い、製造(輸入)が保健衛生上支障なく行われることを確保するために、製造業の構造設備の状況、人的適格性などを審査し、製造所ごとに許可が与えられます。薬剤師などの必要な資格を持つ責任技術者を常任で置かなければなりません。①「製造販売業申請」は、販売しようとする事業所(総括製造販売責任者の所在する事務所)所在地の都道府県薬務主管課に対して行い、許可申請書、登記簿謄本、申請者が精神障害者などではない旨を証する医師の診断書、組織図、常任の総括製造販売責任者が薬剤師などの必要とされる資格を有することを証する書類などと共に提出します。①製造販売業許可と②製造業許可の両方を有する場合には、①の総括製造販売責任者が②の責任技術者を兼務することが可能ですが、いずれも常任雇用であることが条件です。詳細は都道府県薬務主管課にお問い合わせください。
品目ごとの製造販売承認(法14条)については、都道府県(化粧品か医薬部外品かの該当確認は薬務主管課に相談)を経由またはPMDAに直接提出し、輸入しようとする化粧品等の品目、成分・分量、製造方法、用法・用量、効能・効果、貯蔵方法・有効期間、規格・試験方法その他の所要の審査のうえで総合的に判断されます。但し「化粧品基準」に適合し、全成分を表示する限りにおいて同承認は不要となります。
(2) 化粧品外国届、製造販売届
承認を要しない化粧品の外国製造業者(法14条、令76条)については、当該化粧品の国内製造販売業者(②)が輸入前に、製品毎の③「化粧品外国製造販売業者等届出書」をPMDA経由で厚生労働大臣宛に提出すること、並びに④「化粧品製造販売届出書」を都道府県知事宛に提出することが義務付けられています。③④は都道府県薬務主管課に同時提出も可能です。
(3)輸入届
さらに、業として輸入する際には、通関時までに製造販売業者の氏名・住所、製造販売業許可の種類・許可番号・許可年月日、輸入しようとする品目の名称等、所定の事項を記入した⑤「輸入届」を関東信越厚生局または近畿厚生局(沖縄は支所)に提出して確認を受ける必要があります。これを「厚生労働省確認済輸入届」といい、確認印が捺印されて返送されます。輸入通関書類として必要です。
(4)規格基準と表示義務
輸入・販売するには「化粧品基準」等に適合していることが必須条件であり、配合禁止・配合制限成分(ネガティブ・リスト)及び特定成分群の配合可能成分(ポジティブ・リスト)が定められています。
ラベル表示義務事項については、直接の容器・被包に、製造販売業者名、商品名称、製造番号などのほか、成分名称は原則として全成分表示が義務付けられています。虚偽又は誤解を招くおそれのある表示等も禁止されています。
2.輸入通関
上記で取得した各種証明並びに「輸入(納税)申告書」にインボイス、船荷証券(B/L等)、保険明細書、運賃明細書、パッキングリスト等の通関書類を添付して税関へ提出します。
輸出国により特恵関税やEPA関税の適用を受ける場合は、輸出国の所定様式による原産地証明書が必要です。
尚、個人輸入(販売を目的としない)については「厚生労働省確認済輸入届」は不要ですが、化粧品については概ね「標準サイズで1品目24個以内」とされています。商品見本、医師個人用、試験・治験用等についても一定数量範囲であれば必要書類の提示により輸入できる場合もありますが、一定数量を超えるものについては厚生局に手続きのうえ「薬監証明」を受ける必要がありますので、事前に税関および厚生局に確認してください。
3.その他の国内関連法
(1)景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
原産地の虚偽または誤認表示がある製品は、輸入時には関税法、国内販売時には景品表示法により、輸入販売が禁じられています。過大な景品付販売も禁じられています。薬事法で化粧品に該当する品目については、同法に基づく業界自主基準として、化粧品公正取引協議会が策定した「化粧品の表示に関する公正競争規約」があり、表示・広告等について規制しています。
(2)関税法(知的財産権侵害物品)
偽ブランド商品など知的財産権(商標権、著作権、著作隣接権、 特許権、実用新案権、意匠権)を侵害する物品の輸入は禁止されています。輸入者が偽物と知らなくても侵害物品として輸入が差止められます。また、並行輸入は禁止されていませんが、侵害物品について原権利者から税関に対し、輸入差止申立がされているものもあります。
(3)関税暫定措置法(特に中国製)
中国産陶磁製品(HS6912.00、化粧用品を含む)については、特恵関税の適用除外(平成23年3月31日まで)とされています。
(4)高圧ガス保安法
スプレータイプなどエアゾール製品の輸入には、高圧ガス保安法の適用除外となる旨の証明書が必要です。輸入者自らが所定の試験成績書を作成し、経済産業大臣が告示で定めている要件(内容量1リットル以下、内圧0.8メガパスカル以下)に合致していることが確認された場合、適用除外と見なされます。
その他、製造物責任(PL法)や容器包装リサイクル関係法令などへの対応も必要です。
参考資料・情報
税関手続きや税番、税率に関する問い合わせ(税関相談窓口):
http://www.customs.go.jp/question2.htm
(医薬品・化粧品等の個人輸入について):
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1806_jr.htm
(薬事法に基づく輸入規制の税関確認):
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1805_jr.htm
化粧品・医薬部外品(厚生労働省 医薬食品局審査管理課):
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/keshouhin/index.html
(化粧品基準): http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/keshouhin/dl/keshouhin-a.pdf
化粧品の製造販売・製造・輸入業の各種手続き(東京都の例):
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/sonota/cosmetics/cosme/index.html
医薬部外品・化粧品(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構=PMDA):
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/iyakubugai.html
(改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い):
http://www.rsihata.com/updateguidance/mhlw/2008/170331YS0331015.pdf
(医薬品等輸入監視要領の改正について): http://www.est.hi-ho.ne.jp/matsuna/yunyu_kanshi.pdf
関東信越厚生局: http://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/gyomu/gyomu/yakkanshomei/index.html
近畿厚生局: http://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/bu_ka/iji/index.html
化粧品の表示に関する公正競争規約(化粧品公正取引協議会): http://www.cftc.jp/kiyaku/kiyaku.html
税関による知的財産侵害物品の取締り: http://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/index.htm
特恵関税の適用除外措置(税関): http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1506_jr.htm
高圧ガス保安法(原子力安全・保安院保安課): http://www.nisa.meti.go.jp/sangyo/hipregas/detail/aerosol_toriatsukai.html
消費者庁: http://www.caa.go.jp/index.html
調査時点:2012/03記事番号:M-010768



