投資制度
技術・工業および知的財産権供与に関わる制度
最終更新日: 2011年03月28日
- 工業所有権(LPI、1996年5月14日付け第9279号)が商標、特許、実用新案、意匠に対する保護と、国立工業所有権院(INPI − Instituto Nacional da Propriedade Industrial)におけるその登録を規定している。ブラジルはパリ条約加盟、世界知的所有権機構のメンバー国。
<知的所有権および工業所有権>
知的所有権および技術の国際貿易の保護に関し、ブラジルはパリユニオンの設立メンバー国で、75年以降は世界知的所有権機構のメンバーでもある。また、70年にワシントンで署名された特許協力協定に署名しており、同協定はブラジルの国内法として承認されている。国際分類に関する71年のストラスブール協定がブラジルで適用される。
技術移転、知的所有権ライセンスにかかる契約は、INPIに登録を行うことにより、その契約が第三者に対する効力を発揮し、金融機関を介して契約の対象となる金額の送金が可能になる。INPIは、当該の契約が登録されて30日以内に、契約の性質を考慮して欄外記入(傍記)の可否にかかる決定を発布する。またINPIへの契約登録は(ブラジル中央銀行への登録とともに)、その契約における所得税および利益に対する社会分担金(CSLL - Contribuicao Social sobre o Lucro Liquido)の納付控除を可能にするための必要条件である。
ブラジルは、商標の国際登録を簡素化するマドリッド協定(1989年採択、約81カ国が加盟)には加盟していない。そのため、同協定が有するメリットである、複数国における権利取得手続きの簡素(ワンストップ)化、各国ごとの登録料が支払不要となることによるコストの低廉化などのメリットを、ブラジル国内外の企業は享受することができないでいる。ブラジルが同協定に批准できない理由の1つとして業界から指摘されているのは、商標の申請から登録完了に約5〜6年を要するのが実態という、INPIの構造的な問題である。ブラジルが同協定へ批准したとしても、次の懸念事項が考えられる。まず、INPIが登録手続き件数の増大に対応できるかという点と、さらに、12ヵ月または18ヵ月以内に通報しなければならない登録拒絶の連絡を、INPIが国際事務局にスムーズに通報できるのかという点である(拒絶が通報されない場合は、12ヵ月または18ヵ月で自動的にその商標が国際登録簿に登録される)。特に、後者がスムーズに行なわれない場合、商標をめぐる訴訟件数が増大することが予想される。こうしたことから、マドリッド協定への加盟と共に、INPIそのものの改革が声高に求められており、かつ、INPI自身も、同協定加盟へ向けた検討を開始していることを2007年10月に表明していた。その後2009年7月のリオ・デ・ジャネイロ州工業連盟本部のイベントにおいて、INPI総裁により、すでにマドリッド協定への加盟準備が整っているとの表明があった。
<商標>
商標の表示方法に関しては、文字、図形、それらの混合、あるいは立体的なのものでもよい。また、著名な商標や広告的商標についてはLPIにより特別保護が与えられる。
ブラジルと協定を保っている国、あるいは国際機関において申請された商標申請に対しては、海外での申請から6ヵ月以内であればブラジルでの申請のための優先権が保証されている。
申請後、出願が公示され第三者による異議申し立ての期間が60日間設定される。異議申し立て期間が終了すると、当該出願に関する審査があり、INPIの審査官は当該案件を審査する。審査の段階で問題がなければ、料金の支払いを介して登録証明書が発行される。
商標は、登録証明書の発効日から数えて10年間保護され、さらに10年間の更新が可能。
<特許>
特許については、新規性、発明活動や発明行為、工業への適用可能性が登録にあたって考慮されるべき要素となる。純粋に抽象的な概念、道徳に反するもの、コンピュータ・プログラム、核変換分野、微生物を除く動植物などに対しては特許が与えられない。公共の利害や国家的緊急時のケースでは、特許の権利は剥奪されることができると定めている。
海外からの特許申請については、ブラジルと協定を結んでいる国、あるいは、国際組織で申請された特許申請に対しては、海外での申請から1年以内であればブラジルでの申請のための優先権が保証されている。特許が効力を有している間は、INPIもしくは第三者が無効審判の申し立てを行うことができる。
発明特許は、依頼申請日から数えて20年間有効である一方、実用新案は15年間有効。
<意匠>
意匠登録については、新規性、独創性、工業への適用可能性が考慮されるべき要件となる。純粋に芸術的な性質の作品は、意匠とはみなされず、また、あるモノの本質的な形の登録も意匠とは認められない。モラルや公序良俗に反するもの、他人の名誉やイメージを侵害するもの、信教の自由・信条・信仰・理念・尊厳・崇拝を害するものは登録することができない。
海外からの申請については、ブラジルと協定を保っている国、あるいは、国際組織で申請された意匠登録申請に対しては、海外での申請から6ヵ月間以内であればブラジルでの申請のための優先権が保証されている。
意匠登録は、申請の日から数えて10年間有効であり、必要な料金を支払えば、1回5年、最高3回まで延長することができる(最長25年間)。
<技術・ノウハウ>
「内容公開」を意味する特許とはせずに、技術・ノウハウの供与契約とする場合も、INPIによる承認が必要となり、契約期間は5年、INPIが認めれば同期間の延長が一度可能となっている。世界的には、当該技術・ノウハウが陳腐化しておらず、また、国の安全を脅かすもの、公益に反するものでない限りは、契約の期間規制は行わない方向となっており、ブラジルの場合、規制が残っている事実に加え、5年間と短いことは例外的ということができる。
※ジェトロ・ウェブサイト内、「知的財産に関する情報」や「事業概要」のページもご参照下さい。
「知的財産に関する情報」
http://www.jetro.go.jp/biz/world/cs_america/br/ip/
「事業概要」
http://www.jetro.go.jp/jetro/activities/overseas/
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