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マレーシア

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マレーシア進出に関する基本的なマレーシアの制度

税制

最終更新日: 2014年03月31日

最近の制度変更

法人税

マレーシアの法人税率は、2014年現在25%である。2016年賦課年度より24%となる。

1.企業の居住者資格
マレーシア企業の居住資格は、1967年マレーシア所得税法(Income Tax Act, 1967「ITA」)第8条(1)項に定められているように管理および統制から判断する。企業は、事業の管理および統制がマレーシアで行なわれていれば、居住者とみなされる。最低1回の取締役会議が実際にマレーシアで開催され、かつ当該会議の開催を記録した議事録があれば、通常、マレーシア内国歳入庁(「IRB」)は、当該企業をマレーシアの税務上の居住者であるとみなす。

2.課税対象所得
マレーシアの税制は属地的な性質を持っている。所得がマレーシア国内を源泉とする、あるいは、マレーシア国外から送金され国内で受領したものである場合、当該所得は原則としてマレーシアで課税される。ただし、現在では個人、会社(銀行業、保険業、空海運業は除く)等がマレーシア国内で受領した外国源泉所得は、免税の対象となっている。

不動産に関するものを除いてキャピタルゲイン税はない(下記参照)が、所得の性質を有する、あるいは取引の性質上投機とみなされる利得は、所得税の課税対象となる場合がある。また、キャピタルアローワンス(税務上の減価償却)を享受し、減価償却後価値を上回る価格で売却された資産の販売から生じた利得も、所得として課税対象となる。

次の所得源が課税の対象となる:
(1) 商取引、専門職業、事業から生じた利得および利益
(2) 雇用から生じた利得または利益(給与、報酬など)
(3) 配当、利子、割引料
(4) 賃貸料、ロイヤルティ、保険料
(5) 恩給、年金、またはそれ以外の定期収入
(6) その他の所得の性質を有する利得または利益
なお、所得税法、投資促進法にて数多くの免税所得が規定されている。また、2009年賦課年度より、企業の配当金支払について一段階方式(シングルティア方式)が導入され、これによれば、配当金は受け取った株主側で免税となる。従来のインピュテーション方式は、2013年12月31日までの移行期間を経て廃止される。

3.申告と納税
マレーシアは、課税対象者の全カテゴリー、すなわち、企業、事業、合名・合資会社、協同組合、有給従業員において、自己申告納税制度(Self Assesment System:「SAS」)に準じている。納税者は、各自の所得税申告書を完全かつ正確に記入し、各自の納税義務を査定しなければならない。IRBは、随時監査を行ない、納税者による順守を確認する。

法人税課税の基準期間は、基本的に会社の事業年度(決算期間)と一致する。申告と納付の期限は、事業年度末から7カ月以内である。なお、インターネットでの申告が可能である。

企業には当年度の法人税額の見積り提出が義務付けられており、この見積り額は、前年度の見積り額または修正見積り額の85%を下回ってはならない。企業は見積り額を基準期間(会計年度)月数で等分し、すなわち12等分し、第2月より毎月10日までに分割納付しなければならない。会計年度の第6月と第9月に各々の見積り額を修正することが認められている。

中小企業(SME)は、事業開始年度から2年間の税額見積り、分割納付を行わなくても良い。SMEの定義は、自社の払込資本金が250万リンギ以下であるのみではなく、直接間接に50%超の支配関係にある親子、兄弟会社も、普通株式による払込資本金が250万リンギ以下であることとされている。

SASの結果として、一部の企業は過大な分割納付により所得税を過払いしている可能性がある。分割納付額が確定法人税額を上回ったことによる過払い金は、当該企業の翌年度の分割納付分と相殺、或いは還付が行なわれる。一方、分割納付額が確定法人税額を下回ったことによる不足額は、期限(事業年度末から7カ月以内。税務申告期限と同じ。)までに納付しなければならない。分割納付額が確定法人税額を30%超下回った場合、30%を超える法人税不足額の10%が罰金として課せられる。

4.法人税率
法人税率は下表のとおりである。


2014、2015賦課年度 2016賦課年度
 払込資本金がRM250万以下の場合* 課税所得RM50万まで 20%
課税所得RM50万を超える分 25%
課税所得RM50万まで 19%
課税所得RM50万を超える分 24%
 払込資本金がRM250万超の場合 25% 24%

* グループ会社内に払込資本金がRM250万超の関連会社がある場合を除く。

なお、法人税の計算で発生した未控除のキャピタルアローワンスや税務上の繰越欠損金は、原則的に永久に繰り越すことができる。

5.グループ・リリーフ(連結納税制度)
マレーシアで設立されたすべての居住会社に対してグループ・リリーフを規定している。グループ・リリーフにより、当年度未処分損失の70%以下を同グループ内の他の居住会社の所得と相殺できる。ただし、払込資本金、会計年度、同グループ内の企業間の株式保有要件等に関する一定の条件を満たすことが必要である。

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個人所得税

1967年所得税法上、居住者とみなされる個人は、特殊な分野の所得を除き、累進課税が適用され、最高税率は26%である。住宅家賃補助、各種手当、会社負担の個人所得税等も課税対象所得であり、住宅付随の家具や自動車などが現物給付として所得とみなされる一方、本人、扶養家族、保険料等について控除も適用される。
(PDF)個人所得税税率表     PDF

外国企業が従業員をマレーシアに駐在させている場合、当該従業員の給与所得は、その給与の支払い場所に関わらず、マレーシア国内源泉の所得として、マレーシアへの送金の有無を問わずマレーシアでの課税対象になる。駐在員が本国で得た不動産賃貸収入等は、マレーシア国外源泉の所得なので、マレーシアへの送金の有無を問わずマレーシアでは課税されない。 

非居住者の雇用所得については、一律26%で課税されるが、雇用によるマレーシアでの就労が60日以内であれば所得税法上免税される。60日を超えるが、滞在が183日を超えない、報酬の支払い者がマレーシアの居住者でない等、日マ租税条約上の条件を満たす場合も免税される。 

個人所得税の課税基準期間は暦年(1月~12月)であり、この間の所得を翌年4月30日までに申告・納付する。 

雇用主は従業員の毎月の給与から所得税を源泉徴収することが義務付けられている。源泉徴収額は税務当局作成の所定の表に従う。従って、4月30日の納付期限は源泉徴収され既に納付した税額との差額についてであり、源泉徴収による納付額が確定税額より多い場合は、過払い分が還付となる。 

なお、2014年度の予算案において、2014年賦課年度から、雇用により金銭報酬のみを受け取っている被雇用者については、月次の源泉徴収額を最終税額とし、翌年4月30日までに行う申告義務を免除するとしている。

また同じく2014年度の予算案において、2015年賦課年度より、個人所得税率が引き下げられることが発表された。詳細は下記URLを参照。

http://www.treasury.gov.my/images/pdf/budget/bs14.pdf PDF 他のサイトへ

 

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二国間租税条約

マレーシアは、2014年3月現在、73カ国と二重課税を回避するための租税条約を締結・批准し、発効している。

日本・マレーシア二重課税防止条約(JMDTA)の主な条件は、次のとおりである。

(1) 利子
所得税法上の源泉徴収税率は15%だが、JMDTAに基づき10%に引き下げられる。 

(2) ロイヤルティ
ロイヤルティとは、
●文学上、芸術上もしくは学術上の著作物(ソフトウェア、映画フィルム、ラジオまたはテレビ放送用のフィルムやテープを含む)の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式もしくは秘密工程の使用もしくは使用の権利の対価
●産業上、商業上もしくは学術上の設備の使用もしくは使用の権利の対価
●産業上、商業上もしくは学術上の経験に関する情報の対価として受領するすべての種類の支払金
●船舶または航空機の裸用船契約に基づいて受領するすべての種類の支払金 

と定義されている。 

JMDTAに基づくロイヤルティに対する源泉徴収税率は10%である。

(3) 配当
マレーシアの居住会社から支払われる配当には源泉徴収税は課されない。

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その他税制

売上税、サービス税、物品税、源泉徴収税、印紙税、不動産譲渡益税などがある。

1. 売上税(Sales Tax) 
売上税は、国内で製造された、または、輸入された課税対象品に課せられる、一段式の税金である。売上税は、使用、処分、または輸入された課税対象品の価格に対応した従価税である。課税対象となる製品を製造する製造業者は、売上税を徴収するライセンスを取得しなければならないが、年間売上高が10万リンギ未満の製造業者は、ライセンス供与の免除証明書を申請することができる。 

売上税の税率は、ほとんどの物品について10%である。

2. サービス税(Service Tax)
マレーシアにおける特定の施設の使用やサービスの提供に対してサービス税が課せられる。サービス税の税率は、ほとんどの課税対象サービスの価格、料金について6%である。レストラン、バー、ホテル、ゴルフのプレー料、弁護士/会計士への支払い、私立病院、測量士、コンサルタント、自動車修理、有料(衛星)テレビ放送サービスなどを含む、課税対象者および課税対象サービスに対して課せられる。 

クレジットカードやチャージカードについては、以下のように適用されている。それぞれ発行時及びその後12カ月ごとに課金される。

●正規保持者のカード(本会員カード)につき50リンギ
●副保持者のカード(家族カード)につき25リンギ

3. 物品・サービス税(GST:Goods and Service Tax)の導入
マレーシア政府は2014年度予算案で、現行の売上税(Sales Tax)およびサービス税(Service Tax)を、2015年4月から「物品・サービス税(GST)」という名称の包括的な消費税に置き換えると発表した。税率は6%の予定。

4. 物品税(Excise Duty)
ビール、スタウト・ビール、その他の酒、たばこの葉が含まれた巻たばこ、自動車、トランプなどの特定の品目には、物品税が課せられる。物品税の税率は、課税対象品によって異なり、物品税の課税対象品の製造業者は、当該品目を製造するライセンスを取得しなければならない。物品税の課税対象品の保管にも、倉庫ライセンスが必要である。一般的に、物品税は、当該品目が製造地を離れた時点で支払うが、自動車の物品税については、当該車両が道路交通局に登録された時点で支払われる。輸出品に物品税はかからない。 

5. 源泉徴収税
マレーシアでは、非居住者に対する利子、ロイヤルティ、技術料、プラントや機械設置にかかる据付け手数料、動産の賃貸料、請負工事代金のサービス部分などの特定の支払金に対して、源泉徴収税が課税される。源泉徴収税率は、利子が15%(JMDTAでは10%)、ロイヤルティが10%(所得税法第109条)、技術料、据付手数料等が10%(所得税法第109B条)、工事請負代金のサービス部分が13%(所得税法107A条)である。なお、2009年1月1日より、販売コミッション、保証料等の非居住者への支払いについても源泉徴収税の対象となった(所得税法109F条)。

6. 印紙税(Stamp Duty)
印紙税は、特定の証書および文書に対して課せられる。印紙税の税率は、証書/文書の種類および取引価格によって異なる。 一部の証書や文書については、印紙税の免除が認められる場合がある。

主な印紙税率は以下のとおりである。
(1) 営業権、売掛金、買掛金などの譲渡に関わる文書
a. 譲渡価格10万リンギまで:100リンギごと(100リンギ未満切上げ、以下同)に印紙税1リンギ
b. 譲渡価格10万リンギ超、50万リンギまで:100リンギごとに印紙税2リンギ
c. 譲渡価格50万リンギを超過する額:100リンギごとに印紙税3リンギ 

(2) 一般的契約書および覚書
一律10リンギ

(3) ローン契約書
a. 教育ローン:一律10リンギ
b. 教育ローン以外:ローン金額1,000リンギごと(1,000リンギ未満切上げ)に印紙税5リンギ

(4) 株式
評価額100リンギごと(100リンギ未満切上げ)に印紙税0.30リンギ

評価額とは以下の金額のうち最大のもの
・純資産
・売却価格
・株式額面金額
・純利益×株価収益率(PER)

(5) 建設請負契約等のサービス契約
サービス契約額の0.1%(2011年1月1日より)

7.不動産譲渡益税(RPGT:Real Property Gains Tax)
マレーシアに所在する不動産の販売は、RPGTの対象となる。不動産は、「マレーシア所在のいかなる土地およびその土地をめぐる利権、訴権、または権利」と定義され、土地に付随する建物や建造物も含まれる。 

2014年1月1日以降は下記の税率で課税される。

 保有期間  RPGT税率
 法人
 個人
(マレーシア人及び永住者)
 個人(外国人)
 取得日より3年以内 30% 30% 30% 
 4年目 20% 20% 30%
 5年目 15% 15% 30%
 6年目以降 5% 0% 5%

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