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貿易・投資相談Q&A

日本からの進出(投資)に関する相手国の制度など

中国国内での代金決済方法と留意点

Q. 中国に設立した100%出資の機械部品メーカーから、現地日系メーカーに納品する際の、中国国内での注意点と代金決済方法について教えて下さい。
A.

中国へ進出した日系企業が、中国国内で製品を販売する際に大きな課題となっているのは、いかに確実に売掛債権を回収するかという問題です。ここでは、現地の日系企業を含む中国企業と取引をするに当たっての契約締結、代金決済および債権保全策の一般的な注意点について説明します。


1.契約の作成

(1)取引の成立すなわち契約の締結にあたっては、契約書を作成して取引条件の詳細や債権・債務関係を明確にしておくことが必要です。契約書の作成にあたっては、以下の点などに留意をして契約条項を規定します。

(2)契約書は、相手の会社の代表者が会社名義にて署名捺印することにより契約の有効性を確保します。しかし会社によっては、購買部長などに購入の全権を委譲していることがありますので、契約権限の移譲について相手の会社の経営者などに良く確認した上で契約することが必要です。

(3)支払期限、支払手段、支払方法等の決済条件を明確に規定します。

(4)不当なクレームを防止するために、商品の規格、品質などの仕様を明確に規定するとともに、検収やクレーム期限については具体的な期間を定めておくことが必要です。

(5)権利義務・守秘義務条項、解約事由、期限の利益喪失事由、違約金条項、不可抗力条項等を明確に規定します。

(6)担保条件として、債権者代位権・詐害行為取消権・相殺・所有権留保・代物弁済について明記します。


2.代金決済の方法

中国国内での決済方法は以下のようなものがあります。

(1)現金決済:前払い、後払い、代金引換渡し(COD)

(2)送金決済:文書為替、電信為替

(3)小切手:通常は発行された市内でしか通用しません。

(4)銀行保証小切手:銀行が支払いを保証した小切手です。保証銀行は決済資金を支払人から事前に確保しているため不渡りのリスクが少ない点で安心できます。

(5)銀行保証手形:銀行保証小切手と同様に、保証銀行は事前に支払人から決済資金を確保しているため不渡りのリスクが少ない点で安心できます。

(6)一般商業手形:銀行による支払保証の付いていない一般の手形です。小切手同様発行された市内でしか通用しません。


3.債権保全策

(1)人的担保としての個人保証および法人保証
法的には個人保証および法人保証とも可能ですが、保証人の資産の裏付けや抗弁権の問題があり、実際には確実な担保とはならないと考えた方がよいようです。特に、中国の政府機関・公的機関は担保法により保証人になることはできないので注意が必要です。

(2)物的担保としての抵当権・質権・留置権
物的担保は、債務不履行の場合に担保物権を金銭換価して債務弁済の優先権を取得できます。金銭評価は市場価格を参考にすることになっていますが、現実には明確な基準が無いという大きな問題がある上に、登記手続や実行手続が法的に未整備の状態でもあり、確実な回収手段とは言えないようです。

(3)未収問題を回避する対策として、社内で総合的な販売代金回収システムを構築しておくこと、例えば事前の取引先別契約基準を設けること、契約後であっても契約更新時の見直しを行う、経営状況のチェック体制を作るなどの努力が必要です。


4.その他の留意事項

(1)日系企業は現地化しており中国人社員が購買責任者や財務責任者を担当しています。このような場合に中国的な不合理な取引条件や決済条件そして支払時期などを押し付ける例があります。このような問題への対策の一つは、両社の日本人幹部間で太いパイプを作り、さらには日本本社間の情報交換などの機会を多くするのが効果がある対策と思われます。

(2)人治の国と言われる中国での債権管理に重要なのは企業トップ、経営幹部との人的関係づくりだと考えるべきでしょう。法律面などからの対策を取ることは当然のこととして、やはり中国でも建て前ばかりではない、本音のお付き合いができる信頼関係が債権管理のポイントとなるでしょう。

 

根拠法:

中華人民共和国担保法(1995年10月1日施行): http://www.law-lib.com/law/law_view.asp?id=264 他のサイトへ  

中華人民共和国契約法(1999年10月1日施行): http://www.law-lib.com/law/law_view.asp?id=475&page;=1 他のサイトへ  

ジェトロ・調査レポート:中国における債権回収のポイント2009年1月: http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000058/chinasaiken.pdf PDF  

 

調査時点:2009/12

記事番号:A-A21238

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