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株式会社マグナ   

(2006年12月取材)

 "ストック&デリバリー戦略"と用途提案で、永久磁石メーカー日本No.1に
  

 
代表取締役 澤渡 要 氏

   
  <事業内容>
 永久磁石、その応用製品の開発、製造、販売

 

  <TTPPビジネスタイプ>

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多品種・量産・在庫保有によるメーカー直販と広告活動で、国内知名度No.1に
(株)マグナの創業者で現社長の澤渡氏は1984年に会社を設立したが、それまでの25年間、日本初のフェライト・マグネット(セラミック製)を生産した会社に勤務していた。この会社で、同氏は国内・海外の営業を担当し、磁石に関する技術知識を習得すると共に、エレキギター・自動車・ドライヤー等の様々な用途向けの製品開発にも携わっていた。

70年代、澤渡氏は米国市場の開拓に尽力し、米国子会社の社長に就任。米国ビジネスで、デリバリーの重要性を痛感。同氏が独立してからは、ニーズの高い製品をきめ細かくパターン化し、独自の製品を開発し、在庫と納期を重視した。当時、磁石は特性・形状・精度が様々なことから、受注生産が一般的で、納品には早くて1カ月を要した。

多品種小量生産の時代の予測もあって、同社はメーカー直販体制をとった。具体的には、ニーズにきめ細かく対応できるよう生産品目を増やし、コスト低減のための量産化と、納期短縮のため在庫を増やすことにした。日本ではFAXと宅急便が普及しつつあり、同社の"ストック&デリバリー戦略"は市場の確保・拡大に大いに役立った。

同社は06年現在、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、ラバーマグネット等、永久磁石製品を1,500種以上扱う。1製品の生産単位は最低10万個以上、常時半年分の在庫を保有し、国内なら24時間での納品を可能にする。今後、2,000種の製品ラインアップを目指す。また、創業以来、国内外の広告宣伝費に毎年数千万円を投じ、"マグナ"ブランドの浸透と信用の獲得にも注力した。これにより、同社は日本の磁石業界で知名度No.1を果たす。

因みに、同社の生産体制は東京の自社工場で着磁を、埼玉県の協力工場2ヵ所で各々研磨加工と素材製造を、中国・浙江省の協力工場では素材製造をそれぞれ担当する。

金型 フェライト焼結炉 希土類プレスマシン ワイヤーカットマシン

技術をベースに用途提案、試行錯誤の製品開発
澤渡氏によれば、磁石の販売促進は用途提案ができるかであり、技術を売り込むことである。同社は開発があって、販売があることから、従業員15人全員が開発部隊であり、かつセールスエンジニアでもある。取引先は現在700社を数えるが、うち主要な顧客は100社程度で、季節変動も大きい。例えば、電気湯沸かしポットのマグネット式電源コードは同社が開発したもので、月100万個を販売するが、需要は冬季に限られる。

一時、自動車用モーターの磁石が安価な中国製品に代替されたこともあったが、品質管理の悪さから、同社に発注が戻ってきている。さらに近年は、日本の"匠"の技が見直されており、同社は顧客メーカーと共に製品開発することも多くなった。

製品開発は試行錯誤の繰り返しである。こうした中で、04年に開発したのが"シリコンラバーマグネット"である。この製品はシリコンゴムで磁石全体を包み保護しており、滑りにくい、錆びない、破損しない、洗えて衛生的等の特徴がある。しかも、シリコンゴム成形のため、複雑で自由な形の磁石が作れる。その用途については、顧客からも提案をいただき、ブーツホルダーや血流を良くする磁石入りサポーターのほか、システムキッチンのドア用ショックアブソーバー等の台所用水回り製品での展開も期待される。

永久磁石製品一例 高性能BHトレーサーによる
磁気特性検査
光学測定顕微鏡による
磁気検査
海外からの引合は会社ホームページから
マグナの輸出比率は5%で、主に欧州の磁石メーカーや工具メーカーに供給する。欧州メーカーとの取引は、同社ホームページで直接引合を受けたことから始まった。米国にも事務所を置くが、かつて澤渡氏が社長を務めた会社の事業を引き継ぐもの。米国では品質よりも価格が重視される傾向にあり、大きな取引にはなっていない。最近の傾向では全体的に引合いも増加しており、今後の輸出比率は10%アップを予測している。

なお、同社のガウスメーターはその使いやすさや精度の高さから、世界的に知られており、磁気メーカー向けやOEM供給で年300台を出荷している。

澤渡氏は日本の磁石関連産業の健全な発展を目的に、永久磁石メーカー7社からなる団体「日本磁友会」を設立し、その会長を務める。この組織活動を通じ、経営者間の交流だけでなく、現場レベルの交流や若手の育成も図っていきたいという。

(本部 貿易投資相談センター・大垣千恵子)