ジェトロ・ビジネスライブラリー <東京・大阪>
テーマ別調べ方ガイド
世界各国の関税率を調べるには
2011年12月更新
「輸出や輸入の際に課される税」を関税(*1)といいます。主に輸入国が課す輸入関税のことをさすことが多く、商品によっては大きなウェートを占める場合もあり、取扱商品の税率を確認することは輸出入取引の基本です。
世界各国の関税率(*2)を調べる方法は、各国の関税率が無料で検索できるデータベースWorldTariff、書籍版の世界各国の関税率表、各国の税関などのウェブサイトの3種類あります。この中で最もお奨めなのがWorldTariffです。ジェトロ のウェブサイトからユーザー登録をしていただくと、日本国内居住者であればどなたでも無料でご利用できますのでまずはこちらでお調べください。
この他、各国税関発表の関税率表をご覧になりたい場合は、書籍版の関税率表があります。また、国際機関や当該国の税関などがウェブサイトで公開している関税率表で調べる方法もあります。
以下にそれぞれの調べ方をご案内します。
- WorldTariffで調べる
- 世界各国の関税率表(書籍版)で調べる
- ウェブサイトで公開されている各国の関税率表で調べる
- その他のよくある質問
- Q1 取扱商品のHS番号はどうやって調べたらよいですか? (HS番号の調べ方)
- Q2 関税率を調べてくれるところはありますか?
- Q3 各国の関税制度について知りたい
- Q4 FTA/EPAなどによる関税の引き下げ情報など最新の情報はありますか?
- 関税についての基礎知識
関税率を調べる前に
関税は個別の商品ごとにその税率が定められています。この「個別の商品」を特定するのが、各国で採用されている品目分類のHS番号(*3)で、上6桁までは世界共通です。お調べの商品が品目分類(HS)番号の何番に当たるかをまず確認していただくと、それ以後の調査がスムーズになります。
詳しくは「HS番号の調べ方」を参照ください。
関税率を調べるにあたっての基本的な注意事項
(1)品目分類や関税率は、各国税関の判断になります。
(2)各データ・資料について、更新年月日を確認の上ご利用ください。
(3)各国間のFTA・EPA等関税に関わる協定の動向にご留意ください。
最終的には、輸入業者やE-mailを媒介に、各国税関にご確認ください。
以下ご紹介資料について
= ウェブサイト
= データベース。データベースコーナーでご覧になれます。
**必須(調べる際に、まず利用してほしいもの)
*お奨め(内容が充実しているもの)
WorldTariffで調べる**
WorldTariffは米国FedEx Trade Networks社が提供している世界の関税率情報データベースです。
世界130カ国・地域(EU加盟25カ国を含む)を収録しており、品目別の関税率(MFN税率、原産地国別の最低適用税率等)と輸入時にかかる諸税(付加価値税・売上税・酒税など国により異なる)を調べることができます。全文英語表記で注記や脚注のフォームが統一されており、同一商品の各国の関税率を比較することも可能です。日本からの各国へ輸出する際の輸入国側関税率だけでなく、タイから中国へなど2国間の輸入国側の関税率が調べられます。検索方法は品目分類(HS)番号と英語の商品名の2種類が用意されています。
まずは、お調べの国がWorldTariffに収録されているかご確認ください。
WorldTariff収録国一覧![]()
<ご利用方法>
ジェトロ のウェブサイトからユーザー登録をしていただくと、日本国内居住者であればどなたでも無料でご利用できます。ユーザー登録は、「初めての方へ」から、氏名、住所、メールアドレス等をローマ字で入力するだけで、完了します。ユーザー登録後、登録したメールアドレスにID、パスワードの2通のメールが届きます。
また、WorldTariffは、当ライブラリーのデータベースコーナーでも利用可能です。是非ご利用ください。
<具体的な検索例>
レファレンスQ&A-海外から日本へ、アロマオイル(精油)を輸入する際の関税率を調べたい
世界各国の関税率表(書籍版)で調べる
当ライブラリーの関税率表のコーナーでは世界各国の関税率表(約120カ国)を取り揃えています。
これらは、海外のジェトロ事務所を通して収集した貴重な資料で、これほど多くの国の関税率表を一カ所で閲覧できるのは、国内では他にはありません。各国税関発表の関税率表をご覧になりたい場合はこちらになります。国・資料によりますが、関連法規、各種の輸入規制情報、各種協定、二国間FTAなどの特恵関税情報、減免措置スケジュールなど関税に関わる詳細情報が掲載されています。
*関税率表(書籍版)は、できる限り最新版を入手するように努めていますが、出版までのタイムラグ等があり、年度が古い場合があります。また、表示言語が、英語併記がなく現地語のみの場合があり、掲載フォームも各国独自のため、関税率や複雑な関税体系を読み解くのが一般的には難しいです。最新の関税率を簡易に調べたい場合はWorldTariffのご利用をお奨めします。(WorldTariffの情報ソースも各国当局です。)
- 検索方法1
- 国別ビジネス情報源の各国おすすめ資料に関税率表の記載があります。(国によっては所蔵なし)
検索例:国別ビジネス情報源>インド>関税率表 - 検索方法2
- 蔵書検索(OPAC)のキーワードに「関税(関税率ではヒットしない場合があり)」、「対象国名」を入力し、ヒットした資料の中からcustoms tariff, import tariffなどのワードが入っている資料をピックアップし詳細情報を見て関税率表か確認します。
検索例:蔵書検索(OPAC)のキーワードに「関税 インド」入力→ヒットした資料の中からcustoms tariff の資料を 探すと、「Big's easy reference customs tariff」=インドの関税率表が見つかります。
この他、所蔵の有無について、電話・E-mail等にて、お問い合わせいただければ、お答えします。
レファレンスサービスのご案内
ウェブサイトで公開されている各国の関税率表で調べる
WorldTariff に収録されていない国、書籍版の関税率表も所蔵がない国を調べる場合に、世界各国の関税の管轄官庁・関連機関のウェブサイトで調べる方法があります。当ライブラリー作成の世界各国の関税情報WEBリンク集は、WorldTariffに収録されていない国を含む世界各国の関税率に関連するウェブサイトへのリンクを収録しています。
世界各国の関税情報リンク集 ![]()
収録対象 約140カ国/地域。(Worldtariffに含まれない国は○印がついています。)
*リンク集に関して、国によっては、現地語のみで英語版のない場合、ウェブ更新が遅れているあるいは更新年月日そのものの記載のない場合、品目分類(HS)番号別の関税率の記載のない場合等ありますので、ご注意ください。また、リンクは定期的に確認していますが、リンク切れになる場合もありますのでご了承ください。
その他よくある質問
- Q1.HS番号の調べ方―取扱商品の品目分類(HS)番号はどうやって調べたらよいですか?
- A1.
品目分類(HS)番号の上6桁は世界共通です。そのため、日本の品目分類(HS)番号の上6桁までを参照するのも1つの方法です。日本の税関ウェブサイト
には「実行関税率表
」、「輸出統計品目表」や「分類例規集」が公開されていますので、これらで分類を部、類とたどって品目分類(HS)番号の上6桁を調べることが可能です。ただし、分類表で用いられている用語は必ずしも一般的な用語と一致しません。お調べの商品が品目分類(HS)番号上6桁(世界共通部分)までが何番にあたるか上記ページをあたっても不明な場合、日本の税関相談官室に電話で問い合わせることも可能です。
東京税関 相談官室03-3529-0700その他の税関相談官室
また、過去の相談事例をデータベース化したもの「品目分類情報
」 も税関ウェブサイトで公開されています。
(上6桁までをご参照ください。) - Q2.関税率を調べてくれるところはありますか?
- A2.
海外の関税率について、品目分類、関税率は現地税関の判断になるので、Worldtariffは目安と考え、輸入業者を通して現地税関に確認してもらうか、E-mailで現地税関に問い合わせることをお奨めします。
なお、日本の関税率については日本税関の事前教示制度
で問い合わせることが可能です。 - Q3.各国の関税制度を知りたい
- A3.
各国の関税制度については、ジェトロ・ウェブサイト「海外のビジネス情報>国・地域別情報」の関税制度の項に詳しい解説があります。各国の関税率を調べる前に、当該国の関税制度の概要を把握しておくことをお奨めします。関税率問い合わせ先のリンクもあります。
ジェトロ・ウェブサイト 海外のビジネス情報>国・地域別情報 >国を選択し、貿易為替制度>関税制度
[記載項目]
管轄官庁・関税率問合せ先・関税体系・品目分類・関税の種類・課税基準・対日輸入適用税率・特恵当特別措置・関連法・関税率以外の諸税・その他 - Q4. FTA/EPAなどによる世界各国の関税引き下げ等の最新情報はありますか?
- A4.
日本と各国で締結済みのFTA/EPA関税引き下げスケジュールは、WorldTariffで品目別にご覧いただけます。
この他、国・地域にもよりますが、地域貿易協定(FTA、EPAなど)による関税引下げスケジュール表(書籍版)の所蔵があります。また、ジェトロ・ウェブサイトの世界のビジネスニュース(通商弘報)の簡易検索で「関税引き下げ」と入力して検索すると、ジェトロ海外事務所が収集した情報の記事要約を閲覧できます。全文閲覧希望の場合は、当ライブラリーで、通商弘報プリント版を閲覧することができます。世界各国の各協定の概要、進捗状況一覧は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
世界のFTA一覧(2011年1月現在)
関税についての基礎知識
以下は関税率を調べる初心者向けに簡略に説明したものです。用語の詳細な解釈・説明は別途お調べください。
1. 関税とは
輸出入貨物にのみ課される租税で、輸入税、輸出税、通過税などがあるが、一般には輸入税をさす。
2. 関税率とは
関税額を決定するために輸入貨物の価格や、数量等に対して適用される比率のこと。
3. HS(Harmonized System)番号とは
Harmonized Commodity Description and Coding System「商品の名称および分類についての統一システムに関する国際条約」に基づく、商品の名称・分類品目表(WCO-世界税関機構
>the Harmonized System Explanatory Notes
)。関税および統計等に関して、世界の多くの国で採用されている。そのHS番号は6桁まで世界共通、7桁以降は、各国による細分類となっている。すべての物品はHS番号のいずれかに分類される。
貿易投資相談Q&A:HSコードについて
「Harmonized commodity description and coding system explanatory notes 」2012/ World Customs Organization
4. MFN税率とは
最恵国待遇適用国(MFN=Most Favored Nation)への税率で、WTO加盟国および協定締結国に適用される。
5. 特恵関税とは
一般特恵関税=GSP(Generalized System of Preferences)は、UNCTAD合意による、先進国の途上国に対する特恵税率。WTO協定税率より低い税率が適用される。このほか後発開発途上国(LDC=Least Developed Countries)に適用される特別特恵関税などがある。
貿易投資相談Q&A:一般特恵関税制度と特別特恵関税制度
6. 関税を支払うのは誰か
一般的には輸入者側が支払う。契約により、輸出者が負担することもある。(DDP―Delivered Duty Paid関税込持込渡条件)
貿易投資相談Q&A:インコタームズ2000の各条件の概要
:EU向けDDP条件で輸出する際の注意事項
7. 関税を決定するのは誰か
各国の税関が各国の法に基づき決定する。最終的には現地税関の判断になるため、品目分類含め、実際の適用率は、現地輸入業者を通してあるいはE-mail等で直接、現地税関に確認することをお奨めする。
8. 関税の種類
(1)従価税: 輸入貨物の価格を課税基準とする方法。もっとも広く採用されている。
(2)従量税: 輸入貨物の数量(重量、長さ、面積、容積、個数等)などを課税基準とする方法(原油、酒類など)
(3)混交税: (1),(2)を同一品目に設定。税額の高い方か低い方を選択あるいは併用する課税方法。
9. 課税基準について
関税を適用する場合の基準となる価格は、各国の関税法等により規定されている。
主な課税基準
(1)CIF価格: Cost, Insurance ,Freight の略。運賃保険料込み到着地価格
(2)FOB価格: Free on Boardの略。本船渡し発送地価格
(3)法定価格: 国内市場価格を調整しながら、輸入品の課税価格を決定する国定価格
10. 関税以外の諸税について
関税以外に輸入品に課税される内国税や各種取り扱い手数料などで、国によって異なる。
WorldTariffで品目別に関税率とあわせて調べることができる。
11. 特殊な関税
通常の関税以外にアンチダンピング税、相殺関税、報復関税などの特殊関税があり、WTOでも認められている。
12. 各国の関税体系について
関税率には法定税率、一般(基本)税率、協定税率、特恵税率、一般特恵税率などさまざまな種類があるが、それぞれの用語の定義や、どの税率をどのように組み合わせて(あるいは単独で)採用するかは、国により異なる。各国の関税体系(関税の種類、適用範囲、課税基準、特殊な関税など)については ジェトロ・ウェブサイト>海外のビジネス情報>国・地域別情報から国を選択し、関税制度の項で調べることができる。