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<ジェネリック医薬品> 2008年1月更新
ジェネリック医薬品とは・・
ジェネリック医薬品とは、「後発医薬品」のことで、これに対する「先発医薬品」、つまり新薬の特許期間及び再審査期間が終了した後に、市場での売買が可能となる医薬品を指し、新薬と同じ成分・効果などを有します。ジェネリック医薬品は新薬に比べ、承認審査手続が簡素化されることや研究開発にかかるコストが抑えられることから、廉価で売買されることが大きな特徴です。薬品によりますが、先発品に比べてジェネリック医薬品は2~7割程度安く販売されており、将来の国内市場規模は1兆円とも、それ以上になるとも言われています。
ジェネリック医薬品の普及については、その品質や安全面に対する課題が少なくありませんが、増加を続ける医療費の抑制にも効果があることから、厚生労働省も「後発薬品市場の形成」を医薬品産業界への政策として掲げています。世界の医療・医薬品市場は拡大傾向が続いており、ジェネリック医薬品市場はこうした中でその存在感を強めています。ジェネリック医薬品は日本における「新興」市場として注目されているだけでなく、日系企業の海外におけるビジネス機会としても、その注目が高まっています。
最近の動き
世界の医薬品市場を見ると、先発(非ジェネリック)医薬品の成長率は2000年以降、前年比5~8%の成長率で推移している*。一方、ジェネリック医薬品は2004年に同20%を記録するなど成長が著しい。このジェネリック医薬品の成長率は、日本を除く主要7カ国においては、2008年までに平均、年22%で成長すると見込まれている**。ジェネリック医薬品を含む医薬品市場全体が拡大している背景には種々の理由があるが、その1つに、GDPの成長率を上回る成長率で進む、政府による医療費支出の増大がある。
OECDにおける各国政府の国内総生産(GDP)に占める医療費のシェアは、2001年以降は10%を超え続けている***。OECD諸国の医薬品市場におけるジェネリック医薬品の市場シェアを見ると、数量ベースでは50%を上回る国も少なくない。
| 順位 | 国 | 数量ベース | 金額ベース |
|---|---|---|---|
| 1 | チェコ | 67.4 | 40.0 |
| 2 | ポーランド | 65.6 | 41.0 |
| 3 | デンマーク | 57.0 | 15.0 |
| 4 | 英 国 | 52.0 | 18.0 |
| 5 | 米 国 | 51.0 | 8.0 |
| 6 | ドイツ | 50.0 | 23.0 |
| 7 | ハンガリー | 41.7 | 26.0 |
| 8 | フィンランド | 41.0 | 28.0 |
| 9 | オランダ | 37.0 | 14.0 |
| 10 | ノルウェー | 28.2 | 7.2 |
| 参考 | 日 本 | 16.8 | 5.2 |
・第7回世界ジェネリック医薬品協会(IGPA)プラハ年次総会(2004年)資料・医薬工業協議会資料などからジェトロ作成
・順位は数量ベース
・数値は日本のみ2004年。その他は2002年
新薬と比べて安価なジェネリック医薬品の普及率が高いこうした国々においても、政府の医療費支出の抑制が重要な政策の一つとして捉えられており、そうした実情が新しい市場を拡大させているという側面がある。
日本は、医療費の抑制という他の先進諸国と同様の課題を抱えながらも、ジェネリック医薬品の市場シェアが相対的に低い。この背景には、これまで、「後発医薬品メーカーに対する信頼感が薄い」、「薬剤に関する情報が不足している」などの要因があり、現在でもその課題の解決を模索している。
しかし厚生労働省では、ジェネリック医薬品が医療保険財政の効率化において著しい効果が見込まれること、また日本の医薬品産業の国際的な発展という観点から、「後発医薬品市場の形成」に対し積極的な政策を講じている。とりわけ、診療報酬におけるジェネリック医薬品の調剤の票評価や、ジェネリック医薬品の品質や価格に関する情報を提供するに際しての支援などを明らかにしている。
また同省は、「医薬品開発は比較的小さな規模で大きな研究開発の成果を生むチャンスがある」ことから、「中堅の企業が得意分野において成長していくケースが数多くあると考えられる」として、国際競争力のある日本のジェネリック医薬品企業の台頭に期待を寄せている。
このように、その市場規模の拡大が期待されるジェネリック医薬品市場であるが、クリアされなければならない課題は上述の他に、先発医薬品と後発医薬品がどのようなバランスで市場に流通することが望ましいのか、といった先発医薬品、或いはそれらを製造する製薬企業との関係も重要な問題となる。
しかし、今後5年の間に大型医薬品の特許期間が終了することなどから、医薬品業界はジェネリック医薬品を中心に大きな変化が見込まれており、ジェネリック医薬品の存在を軽視して国内外の医薬品ビジネスを見通すことは困難であろう。
*厚生労働省資料、世界ジェネリック医薬品協会プラハ年次総会資料など
**「ジェネリック医薬品ビジネス~マーケティング戦略と展望~」, 遠藤伸彦著 じほう
***「図表でみる世界の保健医療 OECDインディケータ2005年版」,OECD編著 鐘ヶ江葉子 訳
参考図書:ビジネスライブラリーの所蔵から
- <産業・市場動向>
- 1 医薬品業界2010年の攻防 / 溝上幸伸
- ぱる出版 , 2007.1
- 近年の医薬品業界における合併・再編の大きな動きを3つの動機―ジェネリック医薬品の拡大、主力薬品の特許切れ(2010年問題)、兼業メーカーの動きより説明。各社の次なる再編の波への対応を探る。
- 東京[B-9/VI-IJ/141/MIZ]
- 2 日本のジェネリック医薬品市場とインド・中国の製薬産業 / 久保研介 編
- 日本貿易振興機構 アジア経済研究所 , 2007.3
- 他の先進国ジェネリック市場でシェアを拡大しているインドと中国の製薬メーカーが、日本市場に与える影響を、サプライヤーと競争相手という2つの側面につき解説。
- 東京[B-9/VI-IJ/141/AK-JB-5]
大阪[B-9/VI-ij/141/njic] - 3 世界の医薬品産業/ 吉森賢 編
- 東京大学出版会 , 2007.3
- 日本、米国、英国、ドイツ、フランス、スイスの6カ国における医薬品業界の産業構造、市場構造、研究開発、産業政策、規制機関、主要医薬品企業などについて分析された研究書。ジェネリック医薬品についても記載。
- 東京[B-00/VI-IJ/141/YOS]
大阪[B-00/VI-ij/141/sis] - 4 International Pharmaceutical Law and Practice
- LexisNexis : Matthew Bender 2007ed
- 世界26カ国の薬事関連法と実務(製造から販売まで)。特許権の取得と保護の範囲 、特許性要件、商標、トレードドレス保護、データ保護、新薬承認申請、ジェネリック医薬品、ラベリング及び包装、政府の価格統制など掲載。差し替え追録方式で最新情報に更新。
- 東京[B-00/VI-IJ/141/LXN-06]
大阪[B-00/VI-ij/-/IPL] - 5 医薬品業界再編地図 : 相次ぐ大型合併で終わりのない戦いが始まった! / 西島幸夫
- ぱる出版 , 2006.1 , 223p
- 医薬品業界における大手企業の合併や統合などの具体的な動きから、今後の医薬品業界の今後を展望する。「2010年問題のキーワード『ジェネリック』」の章において、先発医薬品と後発医薬品の事情や、ジェネリック薬品会社の再編、外資の日本市場にける戦略などを紹介している。
- 東京 [B-9/VI-IJ/-/NISHI]
- 6 Balance of Power :攻防の中の均衡 : ジェネリックVS.先発企業 / 渡辺敏一 著
- 医薬経済社 , 2006.8.4 , 178p
- 米国における医薬品市場の変遷を検証しながら、従来の「ブランド」企業と台頭するジェネリックの2者がいかにして競争と均衡を保ってゆくかに焦点を当て、医薬品市場動向が解説されたもの。
- 東京 B-314/VI-IJ/141/WAT]
- 7 ジェネリック医薬品ビジネス : マーケティング戦略と展望 / 遠藤伸彦 著
- 医薬経済社 , 2006.10 , 111p
- ジェネリック医薬品について、その市場概況や具体的なビジネス動向、展望、課題点などが取りまとめられたもの。章立ては、第1章「ジェネリック医薬品市場概況」、第2章「先発品メーカーのジェネリック医薬品ビジネス」、第3章「ジェネリック医薬品市場の近未来」、第4章「ジェネリック医薬品使用促進策」、第5章「厚生労働省の対応」、第6章「市場環境変化で二極化」、第7章「海外市場と外資の動向」、第8章「使用促進の鍵は薬剤師」。巻末に、「処方せん様式の変更などGE医薬品に係るQ&A」を付録。
- 東京 [B-9/VI-IJ/141/END]
大阪 [B-9/VI-ij/141/jib] - <医薬品事業にかかる実務手続などの解説>
- 8 医薬品業界の特許事情 / 杉田健一 著
- 薬事日報社 , 2006.3 , 149p
- 医薬品業界における特許制度の目的、出願手続、特許用件、出願公開制度などといった特許出願にかかる初歩的事項の解説に続けて、先発医薬品、ジェネリック医薬品、医薬業と特許、医薬品と意匠・商標、リサーチツール特許など、業界固有の事情が紹介されている。
- 東京 [B-9/VI-IJ/141/SU]
- 大阪 [B-9/VI-ij/141/itj]
- 9 変身を加速する医療ビジネス再編のリーダーたち / 木村広道 監修 : 東京大学大学院医学系・薬学系協力公開講座「医療経営学概論」著
- かんき出版 , 2006.10 , 331p
- 医療に関連する事業・産業における経営課題や医療の新しいビジネスモデルについて取りまとめられたもの。産官学それぞれの立場から15人の見識(15講座)を掲載。具体的には、「グローバル製薬業界における企業戦略」、「グローバル医療機器産業の動向」、「医療制度改革と新たな価値の創造」など。
- 東京 [B-9/X-K/141/KIM]
- 10 医薬品承認申請ガイドブック / 日本薬剤師研修センター 編集
- 薬事日報社,2006 , 604p
- 本書は、独立行政法人医療品医療機器総合機構の業務方針や、業務内容である商人申請書等の直接受け付け業務、原薬等登録原簿の登録申請手続および一般用医薬品などの申請事例に基づく実務の解説が掲載されたもの。2006年版には、ジェネリック医薬品について、「後発医療医薬品 事例に基づく実務説明」の章で「後発医薬品の承認申請と審査の流れ」などの実務的な解説が掲載されている。
- 東京 2006[B-9/VI-IJ/141/NYK-06]
- 大阪 2005[B-9/VI-ij/141/insgb-2005]
- 11 医薬品製造販売指針 / じほう
- じほう , 2006 951p
- 本書は、日本での医薬品の製造、販売、輸出入における各種制度や必要になる諸手続きについて解説された手引書。「医療用医薬品の製造販売承認申請書の作成」の章においてジェネリック医薬品にかかる、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」などの実務解説が掲載されている。
- 東京 [B-9/VI-IJ/141/YS-06]
大阪 [B-9/VI-ij/141/ish-2006] - <各種データ・統計>
- 12 World Health Databook
- Euromonitor International 2007/2008
- 世界の人口動態統計, 出生, 死亡, 婚姻, , 世帯,保険, 医療費の支出状況などのデータが国別に掲載されている。
- 東京[S-00/III-D-1/HD]
大阪[S-00/III-d-1/-/WHD] - 13 図表でみる世界の保健医療 : OECDインディケータ / 経済協力開発機構 (OECD) 編著 ; 鐘ヶ江葉子 訳
- 明石書店,2005 , 174p
- OECD加盟国の保健・医療に関するデータが掲載されたもの。「1人あたり保健医療支出、伸びの推移」、「医薬品支出」、「保健医療の財源」などのデータが図表で掲載されている。
- 東京 2006 [B-061/III-P/-/HG-05J]
- 大阪 2006 [B-061/III-p/-/zsh-2005]
関連雑誌
国際医薬品情報 / 国際商業出版
東京 雑誌架 No.8-2
関連レポート
「産業レポート(1)日本の医薬品産業の動向」ジェトロ調査レポート![]()
ジェネリック医薬品市場が拡大傾向にある日本の医薬品業課員おける国内大手製薬企業の合併・再編が加速する中で、今後日本の医薬品市場を取り巻く環境はどう変わるのか、その展望を取りまとめた調査報告書。
関連WEBサイト
- 医薬工業協議会

ジェネリック医薬品についての基礎的な情報から世界主要国における動向などを掲載。 - 日本ジェネリック医薬品学会

- 国際ジェネリック医薬品協会

- 米国ジェネリック医薬品協会

- 世界保健機構(WHO)

★日本の医薬品産業については、国立国会図書館>産業情報ガイド>「医薬品産業の調べ方
」に詳しく掲載されていますので、ご参照ください。