企業の農業参入促進法案が提出、VATや関税など優遇税制を規定

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月05日

企業による農業への参入を促進し、付加価値税(VAT)や関税といった各種税制を優遇する法案「企業農業プログラム法(下院第3369号)」が、フィリピンの今国会で審議されている。

同法案は、コメや穀物の生産のために、農業協同組合などとマネジメント契約や合弁契約を結ぶ企業を対象に、当該企業が種、肥料、農業機械、その他農業に必要な用具を輸入する際の関税およびVATの免除、政府や民間の銀行から融資を受ける際の優遇や、情報面と技術面での政府からの援助を受けることができると規定した。また、同法案の適用を受ける企業は、開墾予定の農地のうち、3年以内に50%、5年以内に90%を開墾する必要があり、従業員1人につき年間600キロのコメまたは穀物を市場に供給する必要があるとした。

さらに同法は、農業省長官、関税局長、内国歳入局長、内務自治省長官、国家食料局長、そして同法の適用を受けて農業に参入する企業の代表で構成される企業農業委員会を立ち上げることや、同委員会がインフラ、信用、情報、技術面で企業の支援を行うことや、5年ごとに事業状況をレビューすることを規定した。

法案立案者のシャロン・ガリン下院議員は10月28日、地元メディアに対して「農業への企業の参入を促進することで、資本や経営ノウハウが不足する小規模農家の支援につながる」と説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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