「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2019」でジェトロ推薦のスタートアップ3社が受賞

(日本、シンガポール、タイ)

イノベーション促進課

2019年11月28日

「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2019」が10月30日~11月1日、柏の葉エリア(千葉県柏市)で開催された。本アワードは、アジア中心に14カ国・地域のスタートアップを対象に、事業の革新性や経済的・社会的影響力、事業の実行力、日本企業との連携の可能性などがピッチ(プレゼンテーション)を通じて審査される。日本では数少ない海外スタートアップも対象にしたコンテストイベントだ。

8回目を迎えた今回は、14カ国・地域(日本、中国、韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インド、オーストラリア、ニュージーランド、ロシア)から選出されたスタートアップ27社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが参加。人工知能(AI)/モノのインターネット(IoT)分野(3社)、メディカル/ヘルスケア分野(3社)から計6社がファイナルセッションに進み、そのうち入賞した3社はジェトロが推薦したスタートアップだった。

写真 ピッチセッションの様子(ジェトロ撮影)

ピッチセッションの様子(ジェトロ撮影)

開催地である柏の葉エリアは、三井不動産や柏の葉アーバンデザインセンター、柏市に加え、東京大学や千葉大学などの「公・民・学」の連携をベースに、日本社会の抱える課題を解決するエリアとして、社会実験などを行える新たな都市環境の構築を目指している。半径約3キロ圏内に住宅、商業施設、オフィス、ホテル、病院、大学、公園などが建ち並ぶコンパクトな街並みが特徴で、実証実験タウンとしてこれまでも数々の実証プロジェクトを受け入れてきた。AEAはこのような柏の葉エリアの特色を生かし、入賞したスタートアップに対しては、賞金や協賛企業からの特典に加え、柏の葉エリアを実証実験フィールドとして提供している。

今回のAEAでは、ジェトロが推薦したシンガポール発のメディカル系スタートアップ2社(アクメンリサーチラボ、バイオチーター)がそれぞれ優勝、準優勝し、マイクロソフト賞と観客の投票で決まるオーディエンス賞もジェトロ推薦のタイ発スタートアップ(システム・ストーン・カンパニー)が受賞した。

優勝のアクメンリサーチラボ(Acumen Research Labs)は、敗血症の早期発見につながる試験手法AcuSeptTMを開発。現在普及している方法と比べ、4~5時間の短時間で正確に敗血症かどうかを検出できる点をアピールした。準優勝のバイオチーター(BioCheetah)は、尿検査による膀胱(ぼうこう)がん検出キットおよび連動するアプリケーションの技術が評価された。マイクロソフト賞・オーディエンス賞を受賞したタイのシステム・ストーン・カンパニー(System Stone Company)は、製造機械の保守管理用のアプリおよびモニタリングデバイスの開発・提供について発表を行った。

写真 Acumen Research Labs(1位)の受賞シーン(ジェトロ撮影)

Acumen Research Labs(1位)の受賞シーン(ジェトロ撮影)

今後、これらの受賞企業による実証実験などを通し、柏の葉エリアにおける日本企業とスタートアップとの協業が促進され、日本を含むアジアの社会課題解決に向けたソリューションが生まれることが期待される。

(太田敏正)

(日本、シンガポール、タイ)

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