シンガポールの人口、外国人増で570万人に

(シンガポール)

シンガポール発

2019年10月11日

シンガポール統計局の人口統計(9月25日発表)によると、6月時点の同国の人口は570万3,600人と、前年比1.2%増加した。このうち、国民は0.8%増の350万900人、外国人永住権者(PR)が52万5,300人で0.6%増加した。外国人は167万7,400人と2.0%増だった。

シンガポールの人口は近年、出生率の低迷と外国人労働者の就労ビザの発行基準の厳格化に伴い、伸び幅が縮小している。2014~2019年の人口の年平均増加率(CAGR)は0.8%と、2009~2014年の1.9%と比べると、減速している。ただ、外国人労働者〔家庭内労働者(メイド)を除く〕は2017~2018年と2年連続で前年比マイナスとなっていたが、2019年6月時点は前年同月と比べて2万2,000人増とプラスに転じた(図参照)。発表によると、外国人労働者の増加は主に「サービス分野の堅調な伸びと、建設分野の回復によるもの」だという。就労ビザ別では、低熟練者向けに発給されるワーク・パーミット保持者の増加が外国人労働者の伸びを牽引した。

図 外国人労働者の増減(前年比)の推移

高齢化が進行、65歳以上が16%に

高齢化は引き続き進行している。国民に占める65歳以上の高齢者は2009年の9.9%から、2019年には16.0%へ拡大した。政府の予想では、高齢者の割合は2030年にはさらに23.7%へ拡大する見通しだ。

また、永住権者を含む女性1人が産む子供の数(合計特殊出生率)は2018年に1.14と、前年の1.16を下回った。出生数も2018年に3万2,413人と、前年(3万2,356人)をやや下回った。ただ、2014~2018年の年平均出生数は3万3,000人と、2009~2013年の3万1,400人と比べると、わずかに増加している。

(本田智津絵)

(シンガポール)

ビジネス短信 aef654364f206f87