内国歳入庁、デジタル課税に向けた調査実施へ

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月18日

フィリピン内国歳入庁(BIR)は電子商取引(EC)やデジタルサービスに適切に課税する方法を検討するための調査を実施すると発表した。

BIRのアーネル・グバラ氏は地元メディアに対して、オンライン取引をはじめデジタルエコノミーへの適切な課税を行い、BIRの税収を拡大する必要があるとした上で、「まずはオンライン取引の全貌をつかみ、全ての取引において適切なレシートを発行させ、全取引を課税対象に含めることを可能とする税制を整える」と説明した。

また、財務省(DOF)のアントニオ・ランビーノ次官補は「この調査はBIRのデジタル変革の取り組みの一環で、政府の優先事項の1つとして進める」とした。BIRとDOFは10月3日、国内の人気オンラインショップが不法に課税を逃れているとし、ブラカン州にある倉庫を強制捜索した。

グーグルとテマセク・ホールディングスが10月3日に発表した「e-Conomy SEA report 2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、フィリピンのGDPの2.1%を占めるインターネット・エコノミーの比率は2025年までに5.3%に成長するとされる(2019年10月15日記事参照)。

デジタル課税をめぐっては、特にGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)といった国境を越えたデジタル取引で巨額の利益を上げる企業への課税問題で米国とフランスが対立を深めるなど、その課税方法や対象について国際的な議論が起こっている(2019年8月28日記事参照)。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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