Eコマース関連サービス企業の展示会、市場の拡大で盛況

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月08日

「ウィ・アー・ソーシャル2019」(1月発表)によると、フィリピンの全人口比でEコマースの利用率は70%に達している。Eコマース市場の成長が期待され、今後も関連する産業のビジネスチャンスの拡大が見込まれる。そういう中、パサイ市のSMX・コンベンション・センターで9月25、26日、Eコマース関連企業の展示会「Seamless」が開催された。

欧米やアジアなどで展示会などを運営するTERRAPINNが主催した。出展者はEコマース関連企業で、ECサイト運営者、決済・金融サービス、デジタル認証システムサービスを提供する企業や、ロジスティクス・マーケティングサービスの地元企業、シンガポールや中国などを拠点とする企業など約100社。来場者は約4,000人に上り、Eコマースでのビジネスチャンスを狙う多くの関係者でにぎわった。

写真 展示ブース(ジェトロ撮影)

展示ブース(ジェトロ撮影)

写真 満席になった出展者プレゼン会場(ジェトロ撮影)

満席になった出展者プレゼン会場(ジェトロ撮影)

ECサイト運営者はサイトへの出店を目指すサプライヤーに対し、「Eコマースで成功するポイントは、市場トレンドや価格帯が見合う商品選択、携帯モバイル向けのソーシャルメディアを活用したプロモーションだ」と訴えた。フィリピンでのEコマースの普及には、銀行口座やクレジットカードを持てない層に向けた決済サービスの提供、期日までに商品を発注者に宅配するためのロジスティクスサービスの未発達がネックだった。これらの課題への対応について、決済・金融サービス提供会社は「フィリピンで普及しているプリペイド式の電子マネーと連動した決済ソリューションを提供する」と発言し、ロジスティクスサービス会社も「注文された商品をマニラ首都圏内では最長3日、セブやダバオなど主要都市でも最長5日で配達が可能となった。道路の渋滞の問題は、オートバイを活用することにより解消している」と、安定した宅配サービスが提供可能であることをアピールした。

(石見彩)

(フィリピン)

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