2020年は祝日減少、産業界は歓迎、労組などから批判も

(カンボジア)

プノンペン発

2019年08月26日

カンボジアで8月2日、2020年の祝日についての政令第112号が発表された。祝日は22日となり、2019年より6日少ない。3月29日に行われた「政府民間フォーラム」でフンセン首相が祝日の多さに言及し、2020年の祝日削減を約束していた。

2020年は、クメール正月が3日間から4日間へ延長されたが、ノドロム・シハモニ国王の誕生日が3日間から1日に短縮し、万仏節や2018年に新たに設けられた追悼の日(5月20日)などがなくなった。そのため、4~5月の稼働率が低くなることへの不満は軽減される。

2020年の祝日は次のとおり。

  • 1月1日(水)元日
  • 1月7日(火)虐殺政権からの解放の日
  • 3月8日(日)国際女性の日〔3月9日(月)振替〕
  • 4月13日(月)~16日(木)クメール正月
  • 5月1日(金)メーデー
  • 5月6日(水)仏誕節
  • 5月10日(日)王室始耕祭〔5月11日(月)振替〕
  • 5月14日(木)シハモニ国王誕生日
  • 6月18日(木)モニク前王妃誕生日
  • 9月16日(水)~18日(金)盂蘭盆
  • 9月24日(木)憲法記念日
  • 10月15日(木)ノロドムシハヌーク前国王記念日(命日)
  • 10月29日(木)シハモニ国王即位記念日
  • 10月30日(金)~11月1日(日)水祭り〔11月2日(月)振替〕
  • 11月9日(月)独立記念日

現地報道によると、この発表を受けて、カンボジア縫製製造業協会(GMAC)やカンボジア商工会議所は歓迎しているが、一部の労働組合やアナリスト、市民団体からは批判の声も上がっている。

カンボジアは、EUの特恵関税特別措置で、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA協定」の見直し手続き開始や最低賃金の引き上げにより、海外の投資家から投資環境の悪化が懸念されている。カンボジア政府や産業界は、祝日の削減によりカンボジアの国際競争力を高め、外国からの投資を促進する一助になると考えている。

(ブット・ノラ、磯邊千春)

(カンボジア)

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