次期欧州委員長、ブレグジット再延期について容認姿勢示す

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年07月17日

欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長の後任として欧州議会が承認(2019年7月17日記事参照)したドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン前国防相が7月16日、欧州議会本会議での信任採決に向けた演説で、英国のEU離脱(ブレグジット)問題に言及し、離脱時期の再延期を容認する姿勢を示した。

フォン・デア・ライエン次期欧州委員長はブレグジットについて、「重要な決断。残念ではあるが尊重する」と言明。英国政府がEUと合意した離脱協定案は、「双方の市民の権利保障」「アイルランド地域の安定・和平の維持」によって、ブレグジットに伴う不確実性を払拭(ふっしょく)するとの認識を示し、この2課題を優先すべきとの認識は自分も共有していると語った。

また、ブレグジット期日のさらなる延期について、「相当の事由で(英国側に)時間が必要なのであれば、受け入れる用意はある」と発言した。

なお、欧州商工会議所(ユーロチェンバース)は同日、欧州議会でのフォン・デア・ライエン次期欧州委員長の信任を支持する声明を出した。会議所は次期欧州委員長が欧州議会での演説で中小企業支援に言及したことを評価。「前向きなシグナル」と受け止めたと発表している。ただし、欧州産業界としては「企業に優しい政策立案を求める」とも述べ、今後の欧州委の運営の在り方にくぎを刺した。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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