米国食品医薬品局、「水産物の摂取に関する助言」を改訂

(米国)

ニューヨーク発

2019年07月18日

米国食品医薬品局(FDA)は7月9日、「水産物の摂取に関する助言」の改訂版(注)を公表した。この改訂により、助言の対象者が妊婦または妊娠する可能性のある女性、授乳期の女性および2歳以上の子供を育てる親であることが明確化されたほか、水産物の摂取が健康上の利益をもたらす可能性があるというメッセージが強調されることとなった。

妊婦と授乳期の女性の水産物の摂取を推奨

「水産物の摂取に関する助言」は2017年1月19日に、FDAと米国環境保護庁(EPA)によって公表されたもので、妊婦と授乳期の女性を対象に、低水銀量の水産物のリストから週に8~12オンス(約227~約340グラム)を摂取するよう推奨している。また、60種以上の水産物について、下記の3つのグループに分けた一覧表を使い、対象者が週に何回摂取すべきかを助言している。

  1. 「最良の選択」グループ(週に2~3回摂取すべき)
  2. 「良い選択」グループ(週に1回摂取すべき)
  3. 「避けるべき選択」グループ

改訂の目的は対象者の明確化と要点の強調

今回の「水産物の摂取に関する助言」の改訂の目的は、2017年版と同様に水産物の摂取の利点を強調することで消費を促すことに加えて、妊婦または妊娠する可能性のある女性、授乳期の女性および2歳以上の子供の親が、栄養豊富で安全な水産物について十分な情報に基づいて選択できるようにすることとされている。具体的には、助言の名称が「水産物の摂取に関する助言:妊婦または妊娠する可能性のある女性、授乳期の女性、および若い子供のために」と変更されたほか、以下の記述が加えられた。

  • 妊娠中または授乳期間中の母親の水産物摂取は健康上の利益をもたらし、また、水産物や他のたんぱく質が豊富な食品には子供の成長と発達を助ける栄養素がある。
  • 健康的な食習慣の一環として、水産物摂取は心臓の健康上の利点をもたらし、肥満になるリスクを減らす可能性がある。
  • 多くの水産物は栄養面で優れており、かつ、水銀の含有量が低い。

このほか、今回の改訂では「2015~2020年米国人のための食事ガイドライン」に記されている水産物の栄養についても論じられており、「水産物の摂取は健康な食習慣の一環であり、タンパク質、健康に良いオメガ3脂肪酸(ドコサヘキサエン酸とエイコサペンタエン酸)、他の食品より多くのビタミンB12とビタミンD、鉄およびその他のミネラル(セレン、亜鉛およびヨウ素など)を提供する」との記述が追加された。

(注)「水産物の摂取に関する助言」の改訂版(連邦官報事務局)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「水産物の摂取に関する助言」の改訂版について(米国食品医薬品局)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(後藤紀子)

(米国)

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