モロッコ初の女性の地域圏知事が誕生

(モロッコ)

ラバト発

2019年07月18日

7月5日、モロッコ南東部に位置するゲルミム=ウエッド・ヌーン地域圏知事にムバルカ・ブーアイダ氏が選出され、モロッコ初の女性の地域圏知事が誕生した。

ブーアイダ氏はラクサビという小さな町の出身で、トゥールーズ大学(フランス)でコミュニケーション修士、ハル大学(英国)でMBA(経営学修士)を取得した。2007年に衆議院議員に当選し、2013年に外務・協力相付特命相に任命。2016年の議員再選まで、モロッコ-EU合同議会(EU-Morocco Joint Parliamentary Committee)の共同議長や衆議院の外交・防衛関連委員会の委員長などを務めてきた。現在、農業・海洋漁業・地方開発・水・森林相付海洋漁業担当閣外相を務める。法律により、閣僚と地域圏知事を兼任できないため、近く現職を辞任し、知事に就任する予定。

同地域圏の地方議会は、ブーアイダ氏が所属する独立国民連盟(RNI)と人民勢力社会主義同盟(USFP)との間で長年にわたり対立が続き、両党間の意見不一致により、2018年5月に地方議会が休止に追い込まれた。ブーアイダ氏のいとこにあたるアブデラヒム・ブーアイダ前知事が同年6月に辞任して以降、同地域圏では内務省の特別代表団が業務を代行してきた。ブーアイダ氏の就任後の主な課題は、地方議会の再開となる。

現地報道によると、ブーアイダ氏は、地域における雇用創出、投資家の誘致、同地域も通過するティズニット・ラユーン高速道路など、多くのプロジェクトの促進やインフラ整備に取り組もうと意気込んでいる。また、地域の若者との交流にも積極的で、社会課題の解決策を見つけたい意向だ。

(和田夏音、本田貴子)

(モロッコ)

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