深セン市の1~3月GRPは7.6%成長、インフラ投資が大幅増

(中国)

広州発

2019年05月20日

深セン市統計局の発表によると、2019年1~3月の深セン市の域内総生産(GRP)の成長率は7.6%、総額は5,734億300万元(約9兆1,774億4,800万元、1元=約16円)だった(図参照)。成長率は前年同期より0.5ポイント低下した。

図 深セン市のGRP成長率〔前年(同期)比〕

産業別の成長率は第一次産業が1.9%、第二次産業が8.1%、第三次産業が7.2%だった(表参照)。

表 深セン市の2019年1~3月の主要経済指標

インフラ投資が下支え

項目別では、固定資産投資額が前年同期比22.7%増(伸び率は前年同期より5.4ポイント減少)となった。うち、不動産開発投資は12.7%増(8.9ポイント減少)、インフラ投資は45.4%増(27.9ポイント上昇)だった。インフラ投資は2018年通年で固定資産投資額の約23%を占めており、1~3月は大幅な伸びにより全体を下支えした。

社会消費品小売総額は前年同期比7.5%増(1.5ポイント減少)の1,432億9,800万元となった。卸・小売額が7.0%増の1,263億4,600万元、宿泊・飲食業収入が12.0%増の169億5,200万元だった。卸・小売額については1~2月が4.6%増にとどまっていたが、3月に入り消費が大きく伸びたとみられる。

商品別では、通信機器が10.4%増、家電・音響機材が17.2%増だった。

輸入が大幅減も日本向けは堅調

貿易額は前年同期比4.3%減(26.0ポイント減少)の6,491億2,600万元で、うち輸出が2.8%増(5.1ポイント減少)の3,692億2,800万元、輸入が12.3%減(54.7ポイント減少)の2,798億9,800万元となった。1~2月の統計によれば、米国向けは輸出が13.1%減の319億4,100万元、輸入が4.1%減の57億8,800万元といずれも減少した。一方、日本向けは輸出が8.0%増の77億2,900万元、輸入が2.7%増の126億500万元とともに増加した。商品別の輸出では、機械・電気製品が8.0%減の1,770億300万元、ハイテク製品が14.7%減の1,071億元と大きく減少した。

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値増加額は前年同期比8.6%増(0.3ポイント減少)だった。業種別では、コンピュータ・通信・その他電子設備製造業が11.3%、専用設備製造業が12.3%、自動車製造業が9.3%それぞれ増加した。

深セン市統計局は、2019年1~3月について「経済運営は全体として安定しており、安定の中に進歩があった」とした。しかし、主要指標をみると投資、消費、貿易ともに前年同期より伸びが鈍っており、インフラ投資による下支えが顕著になりつつある。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(河野円洋)

(中国)

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