カナダ政府、フィリピンに輸送された「ごみ入りコンテナ」を回収へ

(カナダ、フィリピン)

米州課

2019年05月20日

カナダ政府は、フィリピン政府に対し、2013年から2014年にかけてフィリピンに輸送されたごみ入りのコンテナ69個を回収するとした書簡を出したことを、「グローブ・アンド・メール」紙(5月7日)が報じた。また、フィリピン財務省によると、両国は5月3日、コンテナの耐航性検査にかかる費用をフィリピンが、コンテナを消毒・輸送する費用をカナダが負担することで合意したという。なお、当初送られたコンテナは103個だったが、そのうちの34個は既にフィリピン国内で廃棄処理されている。

これらのコンテナの処理をめぐっては、両国間でかねて懸案となっていた。コンテナの内容物は、フィリピン到着時「リサイクル処理できるプラスチック」と記載されていたが、そのほとんどはリサイクル処理のできないごみだった。これらはフィリピンに約6年間滞留しており、これまで幾度かフィリピン政府からの回収要請があったが、カナダ政府は民間企業が商業的に輸出したもので、政府としての支援があったものではない、と回答していた(ロイター4月23日)。

フィリピンのドゥテルテ大統領は4月23日、期限を5月15日として、カナダに対しコンテナを回収するよう強く要請した。フィリピン財務省は5月7日、フィリピン側はコンテナをカナダに再輸出する準備ができているが、カナダ側の手続きに時間を要すことから5月15日の期限には間に合わないとの回答があったことを発表している(フィリピン財務省ニュースリリース5月7日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(野口真緒)

(カナダ、フィリピン)

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