臨時大統領が就任、大統領選は7月4日

(アルジェリア)

パリ発

2019年04月19日

アルジェリアのアブデラジィズ・ブーテフリカ大統領が4月2日に辞任(2019年4月4日記事参照)したことに伴い、国会は4月9日、憲法102条を適用し、国民評議会(上院)のアブデルカデル・ベンサラ議長を臨時大統領に指名した。臨時大統領には内閣改造や国会解散、憲法改正などの権限がなく、任期は最長90日。臨時大統領の立候補は禁じられている。ベンサラ臨時大統領は就任翌日の10日、大統領選挙を7月4日に実施すると発表した。

一方で、ベンサラ氏が2002年から17年間にわたって国民評議会議長を務めていたことや、ブーテフリカ氏の側近だったこともあり、抗議デモは収束していない。10日から首都アルジェで数百人規模のデモが発生し(「アルジェ・プレス・サービス」)。12日にアルジェ中心部で大統領選挙の中止を呼び掛けたデモでは、警察が初めて催涙ガスの使用や放水をした(「ジュヌ・アフリーク」)。これまで穏やかとみられていたデモの激化も懸念される。

反政府デモが続く中の16日、臨時大統領指名の立役者だったタイェブ・ベライス憲法評議会議長が理由を表明しないまま辞任を急きょ発表した。2月21日にブーテフリカ大統領(当時)によって指名されたばかりだった。本来8年間の任期の2カ月にも満たなかった。大統領選挙の日程は確定したものの、不安定な政治状況は今後も続くとみられる。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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