国内12空港の運営権入札、外資が主に落札

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年03月19日

国家航空庁(ANAC)は3月15日、国内12空港の30年間にわたる運営権入札を実施した。複数の空港を立地地域で区分した一括入札方式で、北東部、南東部、中西部の3ブロックに分けた。事前に設定された最低価格は全体で2億1,870万レアル(約63億4,230万円、1レアル=約29円)だったが、落札価格は23億7,700万レアルと、大幅に最低価格を上回った。

最も応札グループが多く、落札額が最大となったのは北東部ブロックで、スペインの空港運営会社AENAが19億レアルで落札した。同社がブラジル国内の空港運営に参加するのは初めてとなる。このブロックの中でも収益案件とされていたのはレシフェ空港で、年間820万人の利用者数があり、リスボンやマドリード、フランクフルトなどへの国際線が就航している。

中西部ブロックは、国内資本コンソーシアムAEROESTEが4,000万レアルで落札、南東部ブロックは、スイスのチューリヒ空港会社が4億3,700万レアルで落札した。チューリヒ空港会社はミナスジェライス州コンフィンス空港とサンタカタリーナ州フロリアノポリス空港の運営に既に関与している。

表 第5回空港運営権入札の結果

インフラ省のタルシジオ・ジ・フレイタス大臣は入札結果について、自身のツイッターを通じて、外資が多く参加したことはブラジルの経済成長への信頼を示すものとし、公共サービスの質の向上を目指すとコメントしている。なお、これまで行われた運営権入札により、ブラジルの国内空港には7つの外資空港運営会社が既に参入している(注)。

(注)スイス・チューリヒ空港会社(フロリアノポリス空港、コンフィンス空港)、ドイツ・フラポート(フォルタレーザ空港、ポルトアレグレ空港)、フランス・エジス(カンピーナス・ビラコポス空港)、フランス・バンシ・エアポート(サルバドール空港)、アルゼンチン・コルポラシオンアメリカ(ブラジリア空港、サンゴンサロドアマランテ空港)、シンガポール・チャンギ空港会社(リオデジャネイロ・ガレオン空港)、南アフリカ空港会社(サンパウロ・グアルーリョス空港)。

(二宮康史)

(ブラジル)

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