ロシア、カザフスタンのアクタウに4カ所目の総領事館を開設

(ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラン)

欧州ロシアCIS課

2019年02月22日

ロシア政府は、カザフスタン西部・カスピ海の港湾都市アクタウに同国内で4カ所目となる総領事館を開設する。アレクセイ・ボロダフキン駐カザフスタン・ロシア大使がメディアのインタビューで明らかにした(2月19日)。

同大使によると、2018年末にカザフスタン政府から許可がおりたもようで、具体的なスケジュールは未定ながらも、開館に向けた準備を急ぎたいとしている。カザフスタン国内では、首都アスタナ(大使館領事部)、アルマトイ、ウラリスク、ウスチ・カメナゴルスクに次ぐロシアの領事施設となる。また、アクタウには、ロシア以外のカスピ海沿岸国(イラン、アゼルバイジャン、トルクメニスタン)の領事館が設置されており、今回のロシア総領事館開設により、全てのカスピ海沿岸国の領事館がアクタウにそろう。ボロダフキン氏は「アクタウはカザフスタンのカスピ海沿岸で最も重要な港湾で、多くの船員や観光客が訪れるようになる」と述べている。

アクタウでは、2018年8月に「第5回カスピ海沿岸諸国サミット」が開催され、「カスピ海の法的地位に関する協定」が署名され、沿岸諸国間で長年の課題だったカスピ海の法的地位が確定している(2018年8月13日記事参照)。現在、署名各国内で協定の批准手続きが進んでおり、トルクメニスタン(2018年12月)、カザフスタン(2019年2月)、アゼルバイジャン(2019年2月)で作業が終了している。

このサミットで合意した「第1回カスピ海経済フォーラム」の開催についても、サミットから1年後の8月12日にトルクメニスタンのカスピ海沿岸の港湾都市トルクメンバシ近郊の国立公園・アバザで行われることが決定している。カスピ海を経由する観光分野での共同事業(2018年11月16日記事参照)や輸送分野での協力(2018年12月3日記事参照)に加え、2月12日にはロシア、カザフスタン、イランの3国間では小麦取引に関する覚書が締結されるなど、カスピ海諸国の交流が徐々に加速している。

(高橋淳)

(ロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、イラン)

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