VAT導入などで2018年のCPI上昇率は3.1%

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2019年02月19日

アラブ首長国連邦(UAE)競争・統計局(FCSA)は、1月末、2018年の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年比1.1ポイント増の3.1%と発表した(表参照)。これは2016年の1.6%、2017年の2.0%より高い伸びとなっている。

要因としては、2017年10月に導入された物品税(たばこ・エナジードリンクに100%、炭酸飲料などに50%課税)と、2018年1月に導入された5%の付加価値税(VAT)が挙げられる。特に、VATは教育、医療、住居などの分野の一部の製品・サービスを除く全てに課税されるため、影響が大きかった。物品税が導入されたたばこを含む「酒類・たばこ」は57.0%と急上昇しているが、構成比が0.3%と小さいため、CPI全体への影響は限定的だった。税金以外では、政府が国際価格を基に毎月の価格を定めている各種ガソリン価格が、国際価格の上昇からそれぞれ前年比25~30%上昇したことなどが要因となり、交通費は11.0%上がった。

一方で、2017年から続く不動産価格の低下により、最大の構成比を占める住宅・光熱費は、住宅賃料などにはVATもかからないため、マイナス3.1%となり、CPIの上昇を抑制した。

表 主要支出項目別消費者物価指数(CPI)上昇率 (2018年)

(山本和美)

(アラブ首長国連邦)

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