フォードがGMに続き、月次販売台数の発表を中止

(米国)

ニューヨーク発

2019年02月20日

フォードは1月分から、新車販売台数の発表頻度を、月ごとから四半期(3カ月)ごとに変更した。主要メーカーでは、2018年4月から発表を四半期ごとに変えたゼネラルモーターズ(GM)に続き、2社目となる。メーカー間の競争が激しく、短期間の販売では自社のトレンドを示すことができないという判断によるもの。

乗用車からスポーツ用多目的車(SUV)など大型車へ人気車種が移行する中で、各社は生産、販売の見直しを図っており、現存モデルの生産中止や、新規モデルの投入サイクルが早まる傾向にある。フォードも最近だけでも、中型ピックアップ「レンジャー」、リンカーンブランドのクロスオーバーSUV「アビエーター」、「エスケープ」と「エクスプローラー」のモデルチェンジなど、人気の大型車を基軸とした新たな生産販売戦略を講じている。加えて、月ごとの販売台数には、天候の変化といった特殊要因や、販売日数のばらつき、インセンティブの変更などが影響するため、市場の実態がつかみづらいといった背景もある。

フォードの米国マーケティング・営業・サービス担当バイスプレジデント、マーク・ラネーブ氏は「われわれは短期の傾向だけに注力して事業を行っているわけではない。四半期ごとの発表で透明性の高い情報を提供する」と述べていた(「オートモーティブ・ニュース」2019年1月3日)。

ジェトロでは、今回のフォードによる発表見直しにより、GMと合わせた全米新車販売台数の約3割(2018年)の月次データが得られなくなったことから、米国の新車販売台数に関しては、当面の間、月ごとの報告を四半期ごとに変更する。

(大原典子)

(米国)

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