広州市の2018年GRP成長率は6.2%、自動車生産が前年比減

(中国)

広州発

2019年02月20日

広州市統計局の1月31日の発表によると、2018年の広州市の域内総生産額(GRP)の成長率は6.2%、総額は2兆2,859億3,500万元(36兆5,749億6,000万円、1元=約16円)だった。成長率は前年から0.8ポイント低下した(図参照)。

産業別の成長率は第一次産業が2.5%、第二次産業が5.4%、第三次産業が6.6%だった。

図 広州市のGRP成長率〔前年(同期)比〕

輸出は減速も、日本向けは2桁増

項目別では、固定資産投資は前年比8.2%増(伸び率は前年比で2.5ポイント上昇)の5,938億4,000万元となった(表参照)。製造業の投資が65.6%と大幅に増加した。業種別では、電子・情報製造業は約2.7倍の大幅増だった。一方、自動車製造業は1.6%増にとどまり、自動車部品製造業は6.3%減となった。フォックスコン、LGによる有機ELディスプレー投資などにより工業投資は53.8%増となった。

社会消費品小売総額は前年比7.6%増(0.4ポイント低下)の9,256億1,900万元だった。うち、卸・小売額は7.9%増の8,081億4,342万元、宿泊・飲食業収入は5.8%増の1,174億7,531万元だった。

貿易額は前年比1.0%増(12.7ポイント低下)の9,810億1,500万元、うち、輸入が7.1%増(5.2ポイント低下)の4,202億5,700万元、輸出が3.2%減(19.2ポイント低下)の5,607億5,800万元だった。税関統計によると、国・地域別の輸出では、1位の米国が0.6%減の821億4,852万6,000元、2位のEUが横ばいの810億4,047万元、3位の香港が3.5%減の808億7,171万4,000元となったASEANは3.9%増の793億9,238万3,000元と前年比増加を維持したほか、日本は10.7%増の249億2,449万3,000元と高い伸びを示した。

自動車生産は6年ぶり前年比減

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値増加額は前年比5.5%増(0.1ポイント上昇)の4,451億1,100万元だった。製品別の生産量は、自動車が4.6%減の296万5,200台と、2012年以来の減少となった。一方、新エネルギー車は3.8倍の2万8,200台、ICは約3.3倍、移動通信基地設備が34.2%増、サーバーが26.1%増、スマートテレビが26.1%増、リチウムイオン電池が22.0%増となるなど、ハイテク関連製品は堅調だった。

表 広州市の2018年の主要経済指標

広州市統計局は2018年の経済状況について、工業、商業、投資など主な分野で安定を見せ、全体として安定成長を実現したとした。また、経済の新たなエンジンの発展加速、質・効率の絶えざる向上により、安定から好調へ向かう基礎と牽引力は堅固になったとした。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(河野円洋)

(中国)

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