ロシア鉄道子会社、中国からベラルーシへ自動車部品輸送を開始

(ロシア、中国)

欧州ロシアCIS課

2019年02月22日

ロシア鉄道子会社で陸上輸送オペレーターの「RZDロギスティカ」は2月21日、中国・成都からベラルーシに向けて組み立て用乗用車部品の鉄道輸送を開始したと発表した。

輸送対象は、ベラルーシ・ミンスク近郊のジョジナにある、ベラルーシ(ベルアズ、トラック製造大手)と中国(吉利汽車)の合弁自動車組み立て企業「ベルジ」向けの「ジーリー」(GERRY)ブランドの乗用車部品。ベルジは2017年11月に工場を新設し、2018年7月からCKD(コンプリートノックダウン)生産を開始している。今回、自動車部品は吉利汽車の成都工場から、モンゴル(ザミンウード)、ロシア(ナウシキ)、ロシア・ベルゴロド州クラスノエのロシア・ベラルーシ国境を経由して輸送される。想定輸送日数は14日で、2019年は週1回、年間50本運行する予定。

ベルジの工場で2018年下半期に組み立てられた乗用車のうち5,000台がロシアへ輸出され、3,700台がベラルーシ国内で販売された。現在はエンジンを含め大半の自動車部品が、中国からリトアニアのクライペダ港経由の海上輸送で、ベラルーシの同工場まで輸送されており、鉄道輸送への切り替えで輸送日数が3分の1に短縮される。今後、RZDロギスティカのコスト優位性と輸送品質、運行管理能力などの状況次第で、海上輸送から鉄道輸送への切り替えが進む可能性がある。

RZDロギスティカのビチェスラフ・ワレンチク社長は「自動車製造企業とディーラーの鉄道輸送への関心が高まっており、このビジネスに力点を置いていく。自動車部品の正確な輸送だけでなく、吉利汽車製品の中国からの輸送の(地理的な)拡大にも積極的に取り組んでいきたい」とコメントした。部品だけでなく、完成車などの輸送にも意欲を示している。

(高橋淳)

(ロシア、中国)

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