ナザルバエフ大統領、内閣総辞職の大統領令に署名

(カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年02月22日

カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は2月21日、政府(内閣)を総辞職させる大統領令に署名した。大統領は理由について、経済の質的向上のための現実的な促進政策を中央銀行とともに完全には打ち出せていない、と説明している。

大統領は国民向けのメッセージの中で、カザフスタンの経済成長は今でも石油などの天然資源輸出の収入に支えられているが、国民の実質所得は増加しておらず、数々の国家計画を行っているものの、具体的な成果が得られていないと指摘。「政府は辞職しなればならない」と述べた。

大統領令では、首相代行をアスカル・マミン第1副首相が務め、新内閣が承認されるまでは現閣僚が業務執行を継続するとしている。大統領は新内閣の義務として、生活水準の向上や経済促進、戦略的目標の実現に向けた効果的な政策の作成を掲げた。新たな政府方針などは2月27日の与党会合で発表する予定(カザフスタン大統領公式サイト2月21日)。

今回の大統領令に関し、政治学者のタルガト・カリエフ氏はインスタント・メッセージ・システムの自身のチャンネルで「(1990年に)主権国家として誕生して以来、内閣の不出来を理由に大統領が辞職させたのは初めて」とコメントしている(情報ポータルサイト「テングリニュース」2月21日)。

(市谷恵子)

(カザフスタン)

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