深セン市の2018年GRPは7.6%成長、輸出は前年比減

(中国)

広州発

2019年02月20日

深セン市統計局の2月1日の発表によると、2018年の深セン市の域内総生産(GRP)の成長率は7.6%、総額は2兆4,221億9,800万元(38兆7,551億6,800万円、1元=約16円)だった。成長率は前年から1.2ポイント下落した。

図 深セン市のGRP成長率〔前年(同期)比〕

産業別の成長率は、第一次産業が3.9%、第二次産業が9.3%、第三次産業が6.4%だった(表参照)。

米国向け輸出は減少

項目別では、固定資産投資は前年比20.6%増(伸び率は前年比で3.2ポイント低下)となった。うち、不動産開発投資は23.6%増(2.0ポイント上昇)、インフラ投資は23.4%増(5.8ポイント低下)となった。

社会消費品小売総額は前年比7.6%増(1.5ポイント低下)の6,168億8,700万元だった。卸・小売額が7.4%増の5,424億3,800万元、宿泊・飲食業収入が8.4%増の744億4,900万元だった。商品別では通信機器が38.0%と大幅に増加した。インターネット小売額は24.5%増だった。

貿易額は前年比7.0%増(0.6ポイント上昇)の2兆9,983億7,400万元、うち、輸出が1.6%減(7.1ポイント低下)の1兆6,274億6,900万元、輸入が19.4%増(11.5ポイント上昇)の1兆3,709億500万元だった。税関統計によれば、11月末時点で国・地域別の輸出では、香港が10.3%増の6,174億8,000万元、ASEANが20.8%増の3,896億元と大幅に増加した。一方、米国は5.5%減の2,515億1,000万元、EUは1.4%減の2,457億5,000万元といずれも減少した。品目別の輸出は、携帯電話が38.1%増だったものの、照明器具は31.3%減、タブレット端末は16.3%減となった。輸入では集積回路が30.5%と大幅に増加した。

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値増加額は前年比9.5%増(0.2ポイント上昇)の9,109億5,400万元だった。業種別では、コンピュータ・通信・その他電子設備製造業が14.0%増、専用設備製造業が10.0%増、自動車製造業が12.4%増、医薬品製造業が25.0%増と、それぞれ増加した。

表 深セン市の2018年の主要経済指標

グレートベイエリアを活用

深セン市統計局は2018年について、経済運営は全体として安定しており、主要指標は良好だったとの認識を示した。今後は、創新駆動発展(イノベーションに基づく発展)戦略の実施、広東・香港・マカオグレートベイエリア建設のチャンス活用などにより、社会主義現代化強国のモデル都市の創設に努力するとしている。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(河野円洋)

(中国)

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