輸入廃棄物管理の国家技術規則を厳格化

(ベトナム)

ホーチミン発

2018年11月14日

ベトナム天然資源環境省は、9月14日付で公布していた、鉄スクラップ、プラスチックスクラップ、紙くず、ガラススクラップ、非鉄金属スクラップ、スチールスラグの6つの輸入に関する国家技術規則を定める通達08/2018/TT-BTNMTおよび通達09/2018/TT-BTNMTを、10月29日に施行した。この通達により、初めて国家技術規則が規定されたガラススクラップ、非鉄金属スクラップ、スチールスラグを含め、一連の輸入廃棄物が厳格に規制されることになった。

例えば、通達08/2018/TT-BTNMTに付属するプラスチックスクラップのための国家技術規則QCVN32/2018/BTNMTには、不純物含有許容量についての規定(2.5.3)があり、同含有許容量を総廃棄物量の2%未満までと定めている。また、同輸入廃棄物が20コンテナ以上ある場合は、ランダムで10%サンプルを採取して検査することなどが規定されている(3.1.2a)。

ベトナムでは、環境に関する国家技術規則が存在する品目に限り、製造原料用廃棄物の輸入が認められている(2018年9月27日記事参照)。しかし、環境汚染を引き起こす恐れのある廃棄物の輸入が後を絶たず、国家技術規則の見直しが求められていた。

10月30日付のバオモイ・オンラインニュースによると、ホアン・バン・トゥック・環境総局副局長は「より厳格な国家技術規則を通じて、輸入廃棄物の品質、検査方法、これらを扱う組織や個人の管理を強化し、政府機関、検査機関、製造原料輸入者の責任を明確化する」と、本通達の趣旨を説明している。輸入廃棄物の品質に関する検査は、製造工場所在地の天然資源環境局が担当する。天然資源環境省は現在、輸入廃棄物の国家技術規則を執行するためのガイドラインを準備している。

本件に関し、10月31日のホーチミン日本商工会議所との会合で、ホーチミン税関担当者は「税関では今後、輸入通関時の廃棄物検査を統一的に強化する方針だ」と発言した。

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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