目標の2倍超の投資の覚書を締結-グローバル・インベスターズ・ミート2015(1)-

(インド)

チェンナイ事務所

2015年10月02日

 タミル・ナドゥ(TN)州政府は9月9~10日、国内外からの投資誘致を目的としたイベント「グローバル・インベスターズ・ミート(GIM)2015」をチェンナイ市内で開催した。日本はパートナーカントリーとして参加した。州政府は国内外企業と目標の2倍を超える投資の覚書(MOU)を締結した。同イベントを2回に分けて報告する。

2日間で約5,000人が来場>

 9910日、TN州主催の投資誘致イベント「グローバル・インベスターズ・ミート(GIM2015」がチェンナイ市内で開催され、日本のほか8ヵ国(オーストラリア、カナダ、フランス、イタリア、韓国、ロシア、シンガポール、英国)がパートナーカントリーとして参加した。ジェトロはパートナー機関の1つとして、ジャパンパビリオンを設営、国別セミナーも開催した。「エコノミック・タイムズ」紙(電子版910日)によると、2日間で5,000人が来場し、うち1,000人は国外からの参加だった。

 

 開会式であいさつしたジャヤラリータTN州首相は「TN州の人々を代表して、参加者を心から歓迎する」と述べ、州内の投資環境改善の取り組みとして国際協力機構(JICA)の協力によるODA事業「タミル・ナドゥ投資促進プログラム(TNIPP)」が実施されていることや、インディア・ヤマハ・モーターがチェンナイ市郊外に設立した二輪車製造工場で生産を開始したことを紹介した。

 

98件のMOU締結、投資総額は24,000億ルピー>

 またジャヤラリータ首相は、本イベントにおいてTN州政府が国内外の企業などとの間で州内への投資に係る98件のMOUを締結したと発表。投資総額は24,000億ルピー(約43,200億円、1ルピー=約1.8円)に上り、州政府が目標額としていた1兆ルピーを大きく上回る結果となった。なお、この金額は、19912011年の20年間に州政府が締結した全てのMOUに記載された投資総額を上回るという。また、これらのMOUにより、累計で47万人以上の雇用が創出される見込みだ(「インディアン・エクスプレス」紙911日)。

 

 日系企業ではみずほ銀行、セキスイDLJMモールディング、双日、住友商事、高砂香料工業、三菱東京UFJ銀行などがTN州政府との間でMOUを締結した。TN州政府が発表したMOU98件の産業別投資総額は表のとおり。

 

<次回のGIM2017年に開催>

 目標額の2倍を超す投資額のMOUを締結したのを受け、ジャヤラリータ首相は閉会式で、「本イベントがもたらす投資の勢いを維持し、構築したネットワークをさらに強めていくためにも、このようなイベントを定期的に開催する必要がある」として、「TN州は今後、GIM2年ごとに開き、次回は2017年に開催する」と述べた。

 

前田雄太、丸崎健仁

 

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