上海試験区経由の輸入品、国内出荷前の一括検疫検査が可能に
上海事務所
2014年05月20日
中国(上海)自由貿易試験区を経由する輸入品に対する事前検疫検査制度が始まった。これまで、国外から試験区内に搬入し区外に販売する場合、区外に出荷するたびに輸入品として検疫検査を受けなければならなかった。新制度により、国外から試験区内に搬入する時点で一括して検疫検査を行っておき、その後、複数回に分けて区外に出荷することが可能になる。同制度のテストでは、出荷時間が大幅に短縮している。
<出荷までの時間が平均で約半分に短縮>
上海出入境検験検疫局は5月1日から、上海自由貿易試験区を経由する輸入品に対する事前検疫検査制度(中国語「預検験制度」)を正式に開始した。
同試験区は国務院の認可により、税関管理と検疫検査が国外と同じように取り扱われ、上海税関と上海出入境検験検疫局が該当地域に出入りする貨物の監督・管理を行う特別なエリアだ。このため、国外から試験区内に搬入する際には、検疫検査を受ける必要がないが、区外の国内市場に販売する際には、輸入品として検疫検査を受けなければならない。
今回の事前検疫検査制度により、企業は国外から試験区内に搬入する時点で検疫検査を受けることが可能になっている。さらに検疫検査の後、随時に複数回に分けて国内市場に出荷できる。区内から区外市場に出荷する時間は、平均して約半分に、化粧品の場合12営業日から5営業日に、酒類の場合15営業日から3営業日に短縮されることになる。
また、必ずしも全ての国外品の事前検疫検査を一括して受ける必要はなく、必要に応じて、数回に分けて事前検疫検査を受けてもよい。事前検疫検査を受けた後の国外品を区内のほかの企業に引き渡すことも認められている。
(文涛)
(中国)
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